進化から理学療法を考える 姿勢発達研究会のブログ

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膝の立体構造を考えるセミナー開催しました

埼玉で開催した膝拘縮のセミナー無事終了しました。参加された皆さんありがとうございました。

今回のテーマは膝の拘縮と痛みをメインに、膝の3D構造から考える正しい膝のROMと筋力増強、O脚や膝折れなど様々な疾患へのリハビリ法でした。

膝の疾患、といってもやはり全身が関わってきますので膝だけでなく股関節や体幹の話もありました。

 

膝をテーマにしたセミナーは今回が初めてだったのですが、参加されるセラピストのほとんどは膝の痛みや可動域制限などは無いため実技がやりにくいという意外な欠点がありました。このあたりは肩や股関節と違うところですね。次回は膝の痛みなどある方の参加があるといいのですが…

 

また、今回前半は理論編、後半は実技編ということで実技に関しては感性というか、ひたすら反復練習するという根性論的な部分がどうしてもあります。次回5月の股関節編に関しては筋の起始停止という客観的な指標を導入し、できるかぎり分かりやすく習得しやすいようにしていきたいです。

セラピスト自身のセルフケアやボディワークも体系化していきたいですね。

 

基本的に私の講習会はできるかぎり理論的に、客観的に、きちんと学ぶことで感性やセンスを問われない技術を身につけることを目的としていますが、複雑な部分や手技の部分のマニュアル化はなかなか難しいものです。私自身が「考えるな感じるんだ」系の人間なのでなおさらそう思ってしまうのかもしれません(汗

 

 

ご参加ありがとうございました。

 

 

次回は5月に股関節をテーマとした講習会を予定しています。

こちらは旧下肢編のリニューアル版ですが、筋と靭帯を指標とすることで手技がとてもわかりやすくなりました。

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治ったはずなのに治っていない?股関節リハビリの効果が出ない理由

股関節のリハビリは何故か効果が出にくいことがあります。

  • 臥位や座位では改善しているのに、肝心の立位や歩行に反映されない
  • 可動域は改善したのに、痛みが悪化した
  • 画像所見と実際の病態が一致しない

など、「治ったはずなのに、治っていない」という不思議なことが時々起こります。これは肩や体幹ではあまり起こらないのですが、下肢、とくに股関節でよくある現象です。

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股関節は荷重が大前提

股関節は歩行や立位など、体重を支える必要があることが上肢や体幹との大きな違いです。免荷状態ではさほど問題にならない肢位でも荷重すると負担が大きく痛みや変形の原因になることがあります。これが「免荷状態では改善しているのに、荷重すると悪化する」という現象の原因です。

股関節の自由度は高い?低い??

バレエをはじめとするスポーツ医学でも最近は「股関節の自由度の大半は体幹の代償動作」ということが知られてきています。股関節は本来、自由度が非常に低い関節です。

ですが、実際には無理なストレッチを行うことで不自然な股関節の可動性を出すことができてしまいます。

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ですが、この肢位は靭帯や筋を無理に歪ませます。限界まで引き伸ばされた靭帯に荷重すれば靭帯が傷み、骨が削れてきてしまいます。これが変形性股関節症を初めとする股関節疾患の原因です。

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私は「股関節は人体で一番自由度の低い関節」と言っています。ですがもう少し正確に言うと「股関節は自由度が高い、しかし安全に荷重するためには自由度を可能な限り低くする必要がある」ということになります。

 

股関節の自由度を出すストレッチは危険です

免荷状態で負荷をかければ靭帯が引き伸ばされ、股関節の可動性が上がります。

ですが、股関節は歩行と立位のための関節であり、臥位や座位でどれだけ動いても意味はありません。むしろ臥位や座位で無理に動かすことで軟部組織を不自然に伸張し怪我の原因になります。

特に股関節に関しては、正しい運動方向をきちんと理解して動かすことが重要になります。

 

また大腿骨は細長い形状をしているため大きな負荷をかけやすく、自分では気づかないうちにかなり無理な負荷をかけてしまうことがよくあります。整体院に来る方のなかにも、無理な股関節ストレッチが原因で股関節が痛くなることが結構多いようです。セラピストによる他動運動も、骨の3D運動をきちんと理解して慎重に行ってください。

 

 

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 股関節講習は随時開催予定です。

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一歩先に進むためのリハビリ技法 股関節と歩行・整形疾患編~3Dと進化から考える運動学と治療

 

 

股関節は自由度の高い関節と思ってしまっていませんか?

 

実は股関節は人体で2番目に自由度の低い関節です。

3DキネシオロジーではCGやCAD、物理演算エンジンといった工学シュミレーションソフトで3Dアトラスを解析し、股関節本来の運動方向を導き出ました。

 

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従来平面的に捉えられていた股関節と歩行の運動を立体に捉えると、複雑に思えた股関節運動は『内側回旋』『外側回旋』の二種類のみという非常にシンプルな運動をしています。

本来自由度の低い関節を無理に動かそうとすることが股関節の痛みと変形につながります。また、無理な自由度を出そうとするリハビリによって症状が改善しないばかりか悪化する可能性があることが立体解析によって分かりました。

 

この2つの運動方向をきちんと把握することで、変形性股関節症、股関節拘縮、痛みや歩行困難、人工骨頭置換術など股関節と歩行の問題にしっかりとした結果を出すことができるようになるための講座です。

 

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【内容】

【治療】

拘縮のよくある誤解 

 ×骨変形が原因

 ×筋短縮が原因

ROMのよくある誤解

 ×関節には自由度がある

 ×ROMは治療効果がある

治療のよくある誤解

 ×持続的伸張

 ×筋トレ

股関節は70度までしか屈曲しない、の証明

股関節の立体的な運動方向

股関節と骨盤、体幹の関係

OH・大腿骨頭壊死・リウマチ性OH・関節唇損傷・人工骨頭・先天性股関節症など様々な疾患の共通点と本当の原因の見つけ方

【評価】

クレイグテスト、アリステストなど様々なテストの利点と欠点

股関節の3Dリハビリのための2種類のテスト

股関節治療のための骨盤体幹テスト

股関節の見かけ上の伸展の見分け方

痛みや拘縮の原因をつきとめる

【治療】

股関節の3D運動

骨盤と股関節のキネティックチェーン再生

歩行のための股関節ハンドリング

 

 

日時

対象:PTOTST・その他医療従事者・学生・鍼灸師・マッサージ師・ボディワーカーなど

 

 

埼玉

日時 6月18日(日)10時から16時

 

場所 岩槻東口コミュニティセンター

大宮駅より東武野田線岩槻駅より徒歩1分

岩槻駅東口コミュニティセンター/公益財団法人さいたま市文化振興事業団

※人数によって場所が変わることがあります。事前にお送りするメールをご確認ください。

 

受講料 12000円

再受講割引 埼玉開催のみ、股関節編を受けたことのある方は8000円

 

 

 

お支払い方法・お申し込みから2週間以内にカードまたは銀行振り込みをお願いします。

キャンセルポリシー・少人数制のため、お申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。ご了承ください。

定員 5名程度

 

 申し込み

お申し込みは以下のリンクから行えます。

http://sinka-body.net/kousyuu.html

 

 

 

 

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その他の講習会一覧

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講習会一覧

 

現在開催予定の講習会一覧です。

 

体験会

 

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動画では伝えきれない実際の体の変化を体験する会です。

初参加の方も多いので、気軽にご参加ください。

 

【講習会情報】もう一度はじめる 肩関上腕リズム  7月埼玉

肩関節の立体運動

肩甲上腕関節は股関節と同様、自由度の低い関節です。

自由度の低い肩関上腕関節ですが、胸鎖関節や体幹の代償動作を組み合わせることで上肢の様々な運動が可能になっています。

肩関節の複合運動といえば肩甲上腕リズムが有名ですが、実際には肩甲上腕リズム以外にも様々な複合運動が肩関節の可動に関与しています。

  • 肩甲ー上腕リズム
  • 肩甲ー鎖骨リズム
  • 鎖骨ー胸骨リズム
  • 胸骨ー肋骨リズム
  • 肋骨ー脊柱リズム
  • 脊柱ー脊柱リズム

これら全身の微細な複合運動をきちんと評価し、改善してゆけるようになるための講座です。

肩関節はもっと治せるかもしれません

正しい運動方向を理解さえすれば、肩関節は治りやすい部位です。

肩関節の骨形状から導き出される正しい運動方向を理解すると、これまで改善不可能だと思われていた肩関節の拘縮や痛みも改善が可能になります。

 何十年も苦しんでいたひどい肩の痛みが治った

 様々な治療を試したが治らなかったしびれが治った

 あきらめていた運動ができるようになった

など、これまで治らなくても仕方ない言われてしまっていた多くの方のために、ぜひ多くのセラピストに肩関節の正しい立体運動を学んでほしいと思います。

 

 

 

■内容
基礎編
・肩甲骨、上腕骨の模型作成
・模型を使って基本の触診の復習
・教科書的な肩関上腕リズムの復習
・肩関節全体の自由度は高いが、肩甲上腕関節の自由度は低い理由
実践編
・肩関上腕リズムの実際
・肩関節の可動域改善方法
・肩の痛みの原因の特定方法
ケーススタディ
など。

 

日時

対象:PTOTST・その他医療従事者・学生・鍼灸師・マッサージ師・ボディワーカーなど

 

日時 7月9日(日)10時から16時

 

場所 岩槻東口コミュニティセンター

大宮駅より東武野田線岩槻駅より徒歩1分

岩槻駅東口コミュニティセンター/公益財団法人さいたま市文化振興事業団

人数によって場所が変わることがあります。事前にお送りするメールをご確認ください 

 

受講料 12000円

再受講割引 旧肩関節編を受けたことのある方は8000円

お支払い方法・お申し込みから2週間以内にカードまたは銀行振り込みをお願いします。

キャンセルポリシー・少人数制のため、お申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。ご了承ください。

定員 5名程度

 

 申し込み

以下のリンクからお申し込みください

http://sinka-body.net/kousyuu.html

 折り返し受け付けメールをお送りします。

膝の変形を股関節から治す考え方

O脚やX脚、内反変形や伸展制限、膝折れなど、膝の様々な変形は膝単体をいくら治しても根本的には解決しないため、個別の部位より全体のアライメントを見るのが大切なのですが、そうはいってもどのように全体を評価すればいいのか具体的な方法が分からず難しく感じてしまうのではないでしょうか。

 

まずは下腿内反=股関節の内外旋 という考え方を身につけると下肢全体の評価法が分かります。

平面的な捉え方

下腿の内反やO脚などのアライメント異常=膝の変形 という考え方は人体を平面で捉える考え方です。

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この考え方をすると、変形した部位をまっすぐにすれば治るような気がしてしまいますが、関節モビライゼーションなどを使って変形部位のみをまっすぐにしてもあまり効果が出ないのはなぜでしょう。(注・変形部位のみに関節モビライゼーションをしても効果がないことは多いですが、全身を評価して原因をつきとめれば関節モビライゼーションはとても効果的です。)

立体的な捉え方

ヒトの動きを立体的に捉えたとき、『屈曲』と『外転(外反)』は同じものになります。そう考えると膝の外反変形は屈曲拘縮と同じものということが分かります。

 

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 外反変形、というのは実は存在せず、膝屈曲と股関節外旋が合わさって見かけ上の変形が起こります。

 

 

 

算数のような式にすると

下腿内反=膝の屈曲+股関節外旋

です。

 

 

もちろん、長期間負荷のかかる動きをすることにより関節破壊が起こるので長期的には平面的な内反変形も起こってきます。ですがその場合も内反変形に注目するのではなく本来の原因である膝屈曲と股関節回旋にアプローチしていくと改善が見込めます。

 

今回は膝を例に挙げましたが、アライメントを理解する上で、見る角度によって180度違う症状に見えてしまうという考え方はとても大切です。

はさみ足と外転歩行、膝折れと伸展制限、結帯結髪動作など様々なことに応用できる基本の考え方です。

 

 

 

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筋の「短縮」は拘縮の原因ではない

拘縮や可動域制限の原因として、筋が短縮しているからだ、と思ってしまっていませんか?このような考え方を出発点とするとなかなか本質が見えず手技が上達しない原因となってしまいます。

 

『筋の短縮』は存在しない

筋短縮による可動域制限というと一般的にはこのようなイメージだと思います。

 

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ですがこれは筋の構造上と中枢のシステム上無理のある考え方です。

このような考えを出発点にしてしまうと「短くなっている筋を伸ばせば治るのではないか」という発想になってしまいますが、実際には無理に伸ばすと筋繊維を破壊します。

 

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筋の持続的伸張を行う手技は沢山ありますが、私の知る限りではどの手技も単純に伸ばすのではないということにきちんと言及しています。ですが学び始めの初心者のセラピストには「ゆっくり愛護的に伸ばせばよい」という誤解をしている方も多いので、しっかりと基本の考え方を身につけてほしいと思います。

 

見かけ上の筋短縮が起こる原因

筋の短縮は存在しない、と言っても実際に触診してみると主動作筋ががちがちに固まっていることが多いですし、外科的な腱伸張術などで可動域が改善しますので、なかなか理解が難しいかと思います。なぜ見かけ上の筋短縮は起こるのでしょうか?

 

 

中枢と重力から考える筋短縮

筋は神経からの電気的な刺激を受けて収縮します。拘縮などの望ましくない収縮を起こすのは多くの場合、姿勢制御能力の低下や抗重力戦略のバグなどが原因です。拘縮の治療のためには拘縮した関節へのアプローチの前に全身や体幹へのアプローチが必須です。このあたりの考え方は全体像を考える機会があまいないため、しっかりプロトコルにしていきたいです。いずれブログでも書いていきます。

 

 生理学から考える筋短縮

筋は一定方向に筋繊維が走っています。そのため、一定方向には伸張しますがそれ以外の方向には伸張しないという性質があります。

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これが見かけ上の筋短縮の二つ目の原因です。これを踏まえると、ただ引き伸ばすのではなく正しい方向に引き伸ばすことが重要であるということが分かります。

 

一般的には、筋が短縮したから正常な伸張をしないというイメージをしがちですが、ここには筋をどのように伸張したか?という考え方が抜けています。

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筋の構造を踏まえると、筋が短縮したように見える状態とは、筋の本来の運動方向とはズレた方向n引き伸ばした状態です。

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関節と筋の立体構造を踏まえ、正しい方向に動かすとごく軽いタッチで数秒で変化が起きるため持続的伸張や圧迫を行う必要はありません。まずは筋の起始停止を本や図ではなく、実際の骨格模型や3Dデータで確認してしっかり立体でイメージしつつ動かしてみてください。

 残念ながら現在学校で習うカリキュラムは二次元の発想が主流であり、各関節の立体的な運動方向については全く習っていないのが現状です。ですが、正しい運動方向についてよく考えることが運動リハビリの全ての基礎なので、骨格標本を確認して正しい運動方向を意識するだけで効果が全く変わってきます。

 

 参考記事

sinka-body.hatenablog.com

 

 

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