進化から理学療法を考える 姿勢発達研究会のブログ

問い合わせ・講習会申し込みはこちら http://sinka-body.net/

問い合わせ・講習会申し込みは sinka-body.net  まで

人類を越えた身体の謎に迫る 100年に一度の天才、シルヴィ・ギエム編

3DCGを使ったシュミレーションで様々な分野の達人たちの身体の秘密に迫るシリーズ第一弾は100年に一度の天才バレリーナであるシルヴィ・ギエム編です。

 

シルヴィ・ギエムってどんな人?

シルヴィ・ギエム(Sylvie Guillem, 1965年2月25日 - )は、フランス・パリ生まれのバレエダンサー。 100年に1人の逸材とまで称される現代バレエの女王。

wikipedia

 バレエの常識を変えた、と言われるほどの高い身体能力を持ち、早期引退が多いバレリーナの中で29年間トップに君臨し続けた方です。

ギエム シックスオクロックの謎

シルヴィ・ギエムは100年に一度の天才と呼ばれ、バレエの常識を塗り替えたと言われる様々なパフォーマンスを生み出ました。

ちょうど時計の針が6時を指すように、180度開脚するシルヴィ・ギエムのシックスオクロック。シルヴィ以前とシルヴィ以降でバレエの常識が変わってしまうほど画期的だったそうです。足がまっすぐ真上に上がるなんて、素人目に見てもものすごいインパクトですね。

f:id:sinka-body:20170413223540j:plain

 一体彼女の骨格はどうなっているのでしょう。何か他の人と全く違う、特別な骨の形をしているのでしょうか?

 

今回はギエムの股関節についていろいろと考えていきたいと思います。

 

股関節だけでは180度開脚はできない

まず、もしも股関節だけでこのポーズをしたらどうなるかをシュミレーションしてみます。

f:id:sinka-body:20170413210207j:plain

大腿骨が骨盤にめりこんでしまっています。こんなことは骨盤骨折でもしないと不可能ですね。股関節は自由度の高い関節だと思われていますが、荷重により大きな負荷が常にかかる上に、実はとても自由度の低い関節なので変な動きをするとすぐに痛めてしまいます。ですから、よくある股関節のストレッチは非常に危険です。

 

sinka-body.hatenablog.com

 

 

今回のまとめ

股関節だけでは180度開脚は不可能

 

次回は、どのようにすればシックスオクロックのような真上に足を上げるポーズができるのかを考えていきます。

 

 

 

 

sinka-body.hatenablog.com

 

 

sinka-body.hatenablog.com

 

 

sinka-body.hatenablog.com

 

OHや股関節の痛みと骨盤の関係

股関節や膝など、下肢のリハビリを行う場合には必ず骨盤や体幹の評価を行う必要があります。

ですが、体幹の治療に苦手意識を持っているセラピストも多いのではないでしょうか?

 

難しいイメージのある体幹リハビリですが、相対的運動という考え方をすればとてもシンプルです。

 

まず基本として、手足と体幹はつながっています。つまり、体幹だけが動くということはありえません。あまりにあたりまえすぎて普段意識しない部分ですが、これが実はとても大切な考え方になります。

 

f:id:sinka-body:20170317205852g:plain

 

つまり、普段我々が当たり前のように行っている骨盤の傾斜などの動きも、ありえない動きということになります。

f:id:sinka-body:20170317210605g:plain

もしも純粋な骨盤傾斜を行うと、このような動きになります。

f:id:sinka-body:20170317211213g:plain

かなり無理のある体勢ですね。

f:id:sinka-body:20170317211430j:plain

 

一般的な骨盤の傾斜を行うためには、股関節の内外転が必須になります。

一見動いていないように見える股関節ですが、実はかなり大きく動いているからこそ見かけ上動いていないように見える状態を作り出すことができています。

このような現象は全身で常に起きていて、一見動いていない状態を作り出すためには全ての関節の可動性が必要になります。

f:id:sinka-body:20170317211809g:plain

 

このような考え方をすると、骨盤の位置が下肢に大きな影響を及ぼしていることがよく分かります。

膝の変形や股関節の変形、歩容など下肢のリハビリを行うときには骨盤のアライメント評価も行い、見かけ上動いていない関節が実際にはどのように動いているかを評価していくことが大切です。

 

 

膝の立体構造を考えるセミナー開催しました

埼玉で開催した膝拘縮のセミナー無事終了しました。参加された皆さんありがとうございました。

今回のテーマは膝の拘縮と痛みをメインに、膝の3D構造から考える正しい膝のROMと筋力増強、O脚や膝折れなど様々な疾患へのリハビリ法でした。

膝の疾患、といってもやはり全身が関わってきますので膝だけでなく股関節や体幹の話もありました。

 

膝をテーマにしたセミナーは今回が初めてだったのですが、参加されるセラピストのほとんどは膝の痛みや可動域制限などは無いため実技がやりにくいという意外な欠点がありました。このあたりは肩や股関節と違うところですね。次回は膝の痛みなどある方の参加があるといいのですが…

 

また、今回前半は理論編、後半は実技編ということで実技に関しては感性というか、ひたすら反復練習するという根性論的な部分がどうしてもあります。次回5月の股関節編に関しては筋の起始停止という客観的な指標を導入し、できるかぎり分かりやすく習得しやすいようにしていきたいです。

セラピスト自身のセルフケアやボディワークも体系化していきたいですね。

 

基本的に私の講習会はできるかぎり理論的に、客観的に、きちんと学ぶことで感性やセンスを問われない技術を身につけることを目的としていますが、複雑な部分や手技の部分のマニュアル化はなかなか難しいものです。私自身が「考えるな感じるんだ」系の人間なのでなおさらそう思ってしまうのかもしれません(汗

 

 

ご参加ありがとうございました。

 

 

次回は5月に股関節をテーマとした講習会を予定しています。

こちらは旧下肢編のリニューアル版ですが、筋と靭帯を指標とすることで手技がとてもわかりやすくなりました。

sinka-body.hatenablog.com

 

 

治ったはずなのに治っていない?股関節リハビリの効果が出ない理由

股関節のリハビリは何故か効果が出にくいことがあります。

  • 臥位や座位では改善しているのに、肝心の立位や歩行に反映されない
  • 可動域は改善したのに、痛みが悪化した
  • 画像所見と実際の病態が一致しない

など、「治ったはずなのに、治っていない」という不思議なことが時々起こります。これは肩や体幹ではあまり起こらないのですが、下肢、とくに股関節でよくある現象です。

f:id:sinka-body:20170418095243j:plain

股関節は荷重が大前提

股関節は歩行や立位など、体重を支える必要があることが上肢や体幹との大きな違いです。免荷状態ではさほど問題にならない肢位でも荷重すると負担が大きく痛みや変形の原因になることがあります。これが「免荷状態では改善しているのに、荷重すると悪化する」という現象の原因です。

股関節の自由度は高い?低い??

バレエをはじめとするスポーツ医学でも最近は「股関節の自由度の大半は体幹の代償動作」ということが知られてきています。股関節は本来、自由度が非常に低い関節です。

ですが、実際には無理なストレッチを行うことで不自然な股関節の可動性を出すことができてしまいます。

f:id:sinka-body:20170418095302j:plain

ですが、この肢位は靭帯や筋を無理に歪ませます。限界まで引き伸ばされた靭帯に荷重すれば靭帯が傷み、骨が削れてきてしまいます。これが変形性股関節症を初めとする股関節疾患の原因です。

f:id:sinka-body:20170418095559j:plain

私は「股関節は人体で一番自由度の低い関節」と言っています。ですがもう少し正確に言うと「股関節は自由度が高い、しかし安全に荷重するためには自由度を可能な限り低くする必要がある」ということになります。

 

股関節の自由度を出すストレッチは危険です

免荷状態で負荷をかければ靭帯が引き伸ばされ、股関節の可動性が上がります。

ですが、股関節は歩行と立位のための関節であり、臥位や座位でどれだけ動いても意味はありません。むしろ臥位や座位で無理に動かすことで軟部組織を不自然に伸張し怪我の原因になります。

特に股関節に関しては、正しい運動方向をきちんと理解して動かすことが重要になります。

 

また大腿骨は細長い形状をしているため大きな負荷をかけやすく、自分では気づかないうちにかなり無理な負荷をかけてしまうことがよくあります。整体院に来る方のなかにも、無理な股関節ストレッチが原因で股関節が痛くなることが結構多いようです。セラピストによる他動運動も、骨の3D運動をきちんと理解して慎重に行ってください。

 

 

関連記事

sinka-body.hatenablog.com

 

 

 

 

 股関節講習は随時開催予定です。

sinka-body.hatenablog.com

 

一歩先に進むためのリハビリ技法 股関節と歩行・整形疾患編~3Dと進化から考える運動学と治療

 

 

股関節は自由度の高い関節と思ってしまっていませんか?

 

実は股関節は人体で2番目に自由度の低い関節です。

3DキネシオロジーではCGやCAD、物理演算エンジンといった工学シュミレーションソフトで3Dアトラスを解析し、股関節本来の運動方向を導き出ました。

 

f:id:sinka-body:20150904171245g:plain

f:id:sinka-body:20150927211134g:plain

従来平面的に捉えられていた股関節と歩行の運動を立体に捉えると、複雑に思えた股関節運動は『内側回旋』『外側回旋』の二種類のみという非常にシンプルな運動をしています。

本来自由度の低い関節を無理に動かそうとすることが股関節の痛みと変形につながります。また、無理な自由度を出そうとするリハビリによって症状が改善しないばかりか悪化する可能性があることが立体解析によって分かりました。

 

この2つの運動方向をきちんと把握することで、変形性股関節症、股関節拘縮、痛みや歩行困難、人工骨頭置換術など股関節と歩行の問題にしっかりとした結果を出すことができるようになるための講座です。

 

f:id:sinka-body:20170409165947j:plain

【内容】

【治療】

拘縮のよくある誤解 

 ×骨変形が原因

 ×筋短縮が原因

ROMのよくある誤解

 ×関節には自由度がある

 ×ROMは治療効果がある

治療のよくある誤解

 ×持続的伸張

 ×筋トレ

股関節は70度までしか屈曲しない、の証明

股関節の立体的な運動方向

股関節と骨盤、体幹の関係

OH・大腿骨頭壊死・リウマチ性OH・関節唇損傷・人工骨頭・先天性股関節症など様々な疾患の共通点と本当の原因の見つけ方

【評価】

クレイグテスト、アリステストなど様々なテストの利点と欠点

股関節の3Dリハビリのための2種類のテスト

股関節治療のための骨盤体幹テスト

股関節の見かけ上の伸展の見分け方

痛みや拘縮の原因をつきとめる

【治療】

股関節の3D運動

骨盤と股関節のキネティックチェーン再生

歩行のための股関節ハンドリング

 

 

日時

対象:PTOTST・その他医療従事者・学生・鍼灸師・マッサージ師・ボディワーカーなど

 

 

埼玉

日時 6月18日(日)10時から16時

 

場所 岩槻東口コミュニティセンター

大宮駅より東武野田線岩槻駅より徒歩1分

岩槻駅東口コミュニティセンター/公益財団法人さいたま市文化振興事業団

※人数によって場所が変わることがあります。事前にお送りするメールをご確認ください。

 

受講料 12000円

再受講割引 埼玉開催のみ、股関節編を受けたことのある方は8000円

 

 

 

お支払い方法・お申し込みから2週間以内にカードまたは銀行振り込みをお願いします。

キャンセルポリシー・少人数制のため、お申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。ご了承ください。

定員 5名程度

 

 申し込み

お申し込みは以下のリンクから行えます。

http://sinka-body.net/kousyuu.html

 

 

 

 

関連記事

 

sinka-body.hatenablog.com

 

 

sinka-body.hatenablog.com

 

 

sinka-body.hatenablog.com

 

 

 

その他の講習会一覧

sinka-body.hatenablog.com

講習会一覧

 

現在開催予定の講習会一覧です。

 

体験会

 

sinka-body.hatenablog.com

 

動画では伝えきれない実際の体の変化を体験する会です。

初参加の方も多いので、気軽にご参加ください。

 

【講習会情報】もう一度はじめる 肩関上腕リズム  7月埼玉

肩関節の立体運動

肩甲上腕関節は股関節と同様、自由度の低い関節です。

自由度の低い肩関上腕関節ですが、胸鎖関節や体幹の代償動作を組み合わせることで上肢の様々な運動が可能になっています。

肩関節の複合運動といえば肩甲上腕リズムが有名ですが、実際には肩甲上腕リズム以外にも様々な複合運動が肩関節の可動に関与しています。

  • 肩甲ー上腕リズム
  • 肩甲ー鎖骨リズム
  • 鎖骨ー胸骨リズム
  • 胸骨ー肋骨リズム
  • 肋骨ー脊柱リズム
  • 脊柱ー脊柱リズム

これら全身の微細な複合運動をきちんと評価し、改善してゆけるようになるための講座です。

肩関節はもっと治せるかもしれません

正しい運動方向を理解さえすれば、肩関節は治りやすい部位です。

肩関節の骨形状から導き出される正しい運動方向を理解すると、これまで改善不可能だと思われていた肩関節の拘縮や痛みも改善が可能になります。

 何十年も苦しんでいたひどい肩の痛みが治った

 様々な治療を試したが治らなかったしびれが治った

 あきらめていた運動ができるようになった

など、これまで治らなくても仕方ない言われてしまっていた多くの方のために、ぜひ多くのセラピストに肩関節の正しい立体運動を学んでほしいと思います。

 

 

 

■内容
基礎編
・肩甲骨、上腕骨の模型作成
・模型を使って基本の触診の復習
・教科書的な肩関上腕リズムの復習
・肩関節全体の自由度は高いが、肩甲上腕関節の自由度は低い理由
実践編
・肩関上腕リズムの実際
・肩関節の可動域改善方法
・肩の痛みの原因の特定方法
ケーススタディ
など。

 

日時

対象:PTOTST・その他医療従事者・学生・鍼灸師・マッサージ師・ボディワーカーなど

 

日時 7月9日(日)10時から16時

 

場所 岩槻東口コミュニティセンター

大宮駅より東武野田線岩槻駅より徒歩1分

岩槻駅東口コミュニティセンター/公益財団法人さいたま市文化振興事業団

人数によって場所が変わることがあります。事前にお送りするメールをご確認ください 

 

受講料 12000円

再受講割引 旧肩関節編を受けたことのある方は8000円

お支払い方法・お申し込みから2週間以内にカードまたは銀行振り込みをお願いします。

キャンセルポリシー・少人数制のため、お申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。ご了承ください。

定員 5名程度

 

 申し込み

以下のリンクからお申し込みください

http://sinka-body.net/kousyuu.html

 折り返し受け付けメールをお送りします。

/* gifに開始ボタン */

参加受付中講習会一覧はこちら

/* gifに開始ボタンここまで */