大腿骨の頚体角は145度と言われています。これが大きすぎても小さすぎても変形性股関節症になり痛みや可動域制限が出ることは理学療法士さんならよくご存知だと思います。
でも、なぜ頚体角は145度でなければいけないのでしょうか?
股関節頚体角が145度の理由
これはヒトが立位と歩行を行う上で最も合理的な角度だからです。
このことをさらに詳細に理解できなければ股関節の関節モビライゼーションやROMエクササイズは行うことはできないのでしっかりと学んでほしい部分です。
ですが縦横だけでなく奥行きまで含めた骨の捩れをどんな姿勢でも即座に分析し理解するのは教科書で学ぶだけでは不可能です。ですので一般的な歩行分析などは便宜上水平垂直方向の動きだけしか考えておらず、分かりやすい一方で不合理で効果の上がらないものになってしまっています。
ですので、人体を学ぶためには教科書だけでなく骨格標本や3Dソフトなど様々な立体に触れながら覚えなければいけません。
歩行と大腿骨の形状を考える
まず、3DCGソフトで大腿骨の模式図を作りました。
この模式図に、頚体角135度、前捩角30度、膝と大腿の角度15度、骨盤と大腿の角度45度、という条件を入力していきます。
これらの数字は単純に計測から導き出されたものですが、これらを全て反映させたモデルをつくると座位や歩行などの運動が可能になります。
逆に言うと、屈曲や伸展など一見単純な動きは実際には、このように非常に複雑な骨の形状により複雑な関節運動をしないと行えません。
人体の関節運動はこのような↓、簡単な動きではないのです。
それを理解せずにむりやりストレッチや関節可動域運動を行うと肩に限らず股関節や膝でもインピジメントが起こります。
これでは治療効果がないばかりか悪化させてしまいます。
このような理論的な動きをシュミレーションして下肢の運動を解析した記事がこちらになります。