進化から理学療法を考える 姿勢発達研究会のブログ

問い合わせ・講習会申し込みはこちら http://sinka-body.net/

問い合わせ・講習会申し込みは sinka-body.net  まで

歩行分析における片足立位の重要性を、進化学から考える

3Dリハビリテーションの最新情報をお届けします

歩行分析で最も注目するべき相

 

例えば、この画像のような姿勢の場合、歩行分析で最も注目するべき部位はどこでしょう?体幹?右股関節?左股関節?それとも膝や足部でしょうか?

f:id:sinka-body:20151004191902p:plain

 

 

この中で一番重要なのは立脚側、というのはなんとなくイメージがつくかと思います。

f:id:sinka-body:20151004191903p:plain

例えば右麻痺などで右下肢の動きが悪い場合には、右足ではなく左足の踏み出しができなくなる、というのはよくあることです。

片足立位ができさえすれば、後は反対側の足を前に振り出すだけで一応は歩行が可能ですので、片足立位の姿勢が大事、というのは分かると思います。

 

平行棒内のバランス訓練の効果がイマイチな理由

 

歩行には片足立位が大事、ということで、片足立位のバランス向上のために平行棒内で足を上げる練習をするのはリハ室ではよく見られる光景です。

平行棒内のバランス訓練はバランス向上や筋力強化には役立ちますが、それ以外の原因で片足立位ができず踏み出しができない場合には効果がいまいち、ということもあります。

その場合、片足立位がとれない、バランスが悪い原因をより深く考える必要があります。

 

片足立位姿勢は、思ったよりハイレベル

 

しかし、ではどのように片足立位が成り立っているかは案外盲点かもしれません。

 

片足立位の姿勢というのは、こんなイメージではないでしょうか?

f:id:sinka-body:20151004191856p:plain

 ↑この画像のように、右下肢が外転や屈曲していますが、支持脚である左下肢は動いていない、というイメージではありませんか?

f:id:sinka-body:20151004191904g:plain

↑こんなイメージです。ロボットや人形ならばこんな風に動くかもしれません。

ですが、片方の下肢のみが動くと重心がずれるので転倒してしまいます。

f:id:sinka-body:20151004191858p:plain

f:id:sinka-body:20151004191859p:plain

 フィギアやマネキンは片足では立てません。

片足立位を維持するためには、重心を股関節と足底に一致させる必要があります。

 

片足立位を安定させるには

 

まず股関節と体幹の中心を一致させるために、骨盤を傾斜させなければいけません。

f:id:sinka-body:20151004191900p:plain

でも、骨盤を傾斜させると下肢は内転してしまいますね。

f:id:sinka-body:20151004191906g:plain

そのため、今度は下肢を外転させなければいけません。

f:id:sinka-body:20151004191901p:plain

ですが、股関節はこのような↓円錐を描くような動きしかできません。

単純な外転という動きは股関節の形状上、ありえない運動です。

f:id:sinka-body:20150927211134g:plain

そのあたり詳しくはこちらで解説しています。

 

sinka-body.hatenablog.com

 

 

となると、骨盤の傾斜により内転位となってしまった立脚を外転位に戻すためには

外転+伸展または、外転+屈曲 という斜め方向の動きを使うことになります。

 

ここまでの動きのまとめ動画

f:id:sinka-body:20151004191905g:plain

 

股関節の斜め方向の運動を使って骨盤の傾斜による下肢の内転を修正するためには体幹の関節を使った調整が必要になってきます。

 

長くなりましたので体幹を使った調整方法については今後に譲りますが、一見単純な片足立位の姿勢がとても複雑な動作だというイメージはつきましたでしょうか?

 

 歩行と体幹の関係についての記事はこちら。

sinka-body.hatenablog.com

 

 

sinka-body.hatenablog.com

 

 

関東・関西にて講習会随時実施中
詳しくはこちら

 

/* gifに開始ボタン */

参加受付中講習会一覧はこちら

/* gifに開始ボタンここまで */