進化から理学療法を考える 姿勢発達研究会のブログ

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治ったはずなのに治っていない?股関節リハビリの効果が出ない理由

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股関節のリハビリは何故か効果が出にくいことがあります。

  • 臥位や座位では改善しているのに、肝心の立位や歩行に反映されない
  • 可動域は改善したのに、痛みが悪化した
  • 画像所見と実際の病態が一致しない

など、「治ったはずなのに、治っていない」という不思議なことが時々起こります。これは肩や体幹ではあまり起こらないのですが、下肢、とくに股関節でよくある現象です。

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股関節は荷重が大前提

股関節は歩行や立位など、体重を支える必要があることが上肢や体幹との大きな違いです。免荷状態ではさほど問題にならない肢位でも荷重すると負担が大きく痛みや変形の原因になることがあります。これが「免荷状態では改善しているのに、荷重すると悪化する」という現象の原因です。

股関節の自由度は高い?低い??

バレエをはじめとするスポーツ医学でも最近は「股関節の自由度の大半は体幹の代償動作」ということが知られてきています。股関節は本来、自由度が非常に低い関節です。

ですが、実際には無理なストレッチを行うことで不自然な股関節の可動性を出すことができてしまいます。

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ですが、この肢位は靭帯や筋を無理に歪ませます。限界まで引き伸ばされた靭帯に荷重すれば靭帯が傷み、骨が削れてきてしまいます。これが変形性股関節症を初めとする股関節疾患の原因です。

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私は「股関節は人体で一番自由度の低い関節」と言っています。ですがもう少し正確に言うと「股関節は自由度が高い、しかし安全に荷重するためには自由度を可能な限り低くする必要がある」ということになります。

 

股関節の自由度を出すストレッチは危険です

免荷状態で負荷をかければ靭帯が引き伸ばされ、股関節の可動性が上がります。

ですが、股関節は歩行と立位のための関節であり、臥位や座位でどれだけ動いても意味はありません。むしろ臥位や座位で無理に動かすことで軟部組織を不自然に伸張し怪我の原因になります。

特に股関節に関しては、正しい運動方向をきちんと理解して動かすことが重要になります。

 

また大腿骨は細長い形状をしているため大きな負荷をかけやすく、自分では気づかないうちにかなり無理な負荷をかけてしまうことがよくあります。整体院に来る方のなかにも、無理な股関節ストレッチが原因で股関節が痛くなることが結構多いようです。セラピストによる他動運動も、骨の3D運動をきちんと理解して慎重に行ってください。

 

 

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