今回は主に足部の底背屈と距腿関節についてシュミレーションしました。
関節の形状や運動軸は勉強しても、運動時にリアルタイムで各関節の状態を分析するのはまだ技術的に難しいため学校でもほとんど教えてもらえません。結果として関節を痛めるROMや運動療法を行ってしまう可能性があります。
無闇なROMのリスク
このブログでは再三書いていますが、各関節には固有の運動軸があり、それらは教科書的な前額面・矢上面といった二次元的な方向ではなく3D上で複雑に動きます。
それら3Dの運動方向を把握せずに教科書的な旧来ROMや動作訓練を行うと、上記のような関節が脱臼した状態となり、効果が無いばかりか症状を悪化させてしまいます。
足部のおさらい
まずは足部の旧来ROMについておさらいです。
旧来ROMでは足部は底背屈、内返し外返し、内外転の三種類の運動をすることになっています。
ですが、実際にこのようなROMを行うと足部の関節を痛めます。
足部は大きく分けて6つの関節から構成されています。
足部の底背屈は主に距骨下関節で行っています。
今回は足部底背屈の旧来ROMを行った場合の距腿関節についてシュミレーションしました。
旧来ROMのような、下腿に対してまっすぐ底背屈している動画です。
横から見るとそんなに問題無いように見えますね。
同じ運動を正面から見てみました。
距腿関節の運動軸がもしまっすぐだと、距骨下関節が脱臼してしまいます。
つまり、何も考えずに『普通』のROMを行うと足首を捻挫させてしまうことになるので要注意です。
どれだけ気をつけて愛護的に行っても、どのような手技を用いても、運動方向を理解していないと悪化の原因になります。
距腿関節は床に対して約10度傾斜しています。
そのため、足部の底背屈は
- 底屈+足部外転+足部内旋
- 背屈+足部内転+足部外旋
を行います。
距腿関節の運動方向について詳しくはこちら
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こちらは股関節の旧来ROMのシュミレーションです。
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