体幹の運動の重要性とKT(Kinetic─Chain)の考え方
運動連鎖、キネティックチェーン(KT)を意識した理学療法、などというとなにやらハードルが高そうですが、基本の考え方はとてもシンプルです。
キネティックチェーンの基本
キネティックチェーン(KT)とは、ある部分の動きがほかの部分にも影響する、というそれだけのことです。体はつながっているのだからあたりまえといえばあたりまえですね。
キネティックチェーンの実際
それでは、一部分の運動が全身にどれくらい影響を与えているかを考えます。
まず、骨盤の傾斜の動きを考えます。以下の動きを実際にやってみてください。
立位で腰を左右に傾斜させるだけの非常に地味な動きです。普通の人ならば何の苦労も無く出来てしまうと思います。
では、この動き、股関節はどう動いているでしょう?
屈曲?伸展?外転??
おそらく、ほとんどの理学療法士さんは「股関節は動いていない」と答えるのではないでしょうか?詳細に考えても、せいぜい軽度屈曲程度に感じられます。
でも、よーく考えてみると、骨盤が動いているのに股関節が動かないと、こんな動きになってしまいます。
空中浮揚しています。ありえないですね。
これができたら逆にすごいです。
つまり、骨盤だけが動いているように見える運動というのは実際は股関節が動かないと成立しません。
骨盤だけが動いているように見える=股関節がものすごく動いている
ということになります。
骨盤の傾斜は 何気ない動きに見えますが、実際は全身の可動域があってこそ可能な動きです。
そしてこのブログでも何度も書いていますが、骨盤が動かないと歩行はできません。
歩行評価で考えるべきたった一つのこと
歩行は骨盤と股関節と体幹全体全てを考えなくてはいけない、と思うと非常に複雑になってしまいますが、これは逆に考えると
骨盤さえ動いていれば、他は勝手にいい具合になる
ということになります。
つまり、ごく単純にまとめてしまえば、骨盤の動きを促通さえすれば股関節も膝も足も考えなくても自動的に調整されてしまいます。
また、一見複雑な歩行分析と治療ですが、「骨盤がどう動いているか?」という観点から評価すれば前後左右の合計4つのパターンに分類することができ非常にコンパクトにまとまります。
今後は、気軽に参加できるナイトセミナーや意見交換&復習ができる症例検討会などのアフターフォローにも力を入れていきたいと考えています。
また、遠方からお申し込みの方も増えてきたので、今度はアクセスのいい東京都内で開催を検討中です。