進化から理学療法を考える 姿勢発達研究会のブログ

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大脳の錯覚を認識し、リハビリ手技を向上させる考え方

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たとえば、同じROMを行っていても、なぜかすっと可動域を出せる理学療法士と、痛みをだしてしまい逆に悪くしてしまう理学療法士がいます。

ROMに限らず、同じ勉強会などに行ったのに、すぐに結果を出せるPTとそうでもないPTの違いは何なのか考えたことはありますか?

同じくらいの知識や技術のはずなのになぜか出る結果が違うというのは「センス」や「才能」というあいまいな言葉で片付けられてしまうことが多いですが、実は大脳の錯覚をどれだけ修正できているかという違いにすぎません。

 

リハビリの結果に直結する、大脳の錯覚とは?

平面バイアス

我々ヒトは大脳が発達しているため、逆に本能的な運動を理解するのが苦手になっています。たとえば、ヒトの運動や解剖を立体的に捉えることがリハビリの出発点ですが、多くの教科書では運動や解剖を平面的に表現しています。

 

これはMMT第7版に掲載されている肩甲骨の運動です。

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紙という平面で表現する以上しかたのないことなのですが、これではまるで肩甲骨が平面上を動いているような誤解を与えます。ですが実際の肩甲骨は鎖骨を中心に回旋するように動きます。

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そのため肩甲骨を外転する際に、肩甲骨は体の側面にきます。つまり純粋な肩甲骨外転という動きは存在せず

  • 肩甲骨外転+上方回旋 
  • 肩甲骨外転+下方回旋

という立体的な複合運動になります。

 

このことは「言われてみればあたりまえ」なのですが、立体的な複合運動は我々人類の大脳にとって理解が難しい分野です。そのため、あたかも「肩甲骨外転」というありえない動きが存在するかのように錯覚してしまいます。

この錯覚を自覚しないままROMを行うと、関節の運動範囲を超えた運動を行うことになるので、いくらリハビリを行っても治らない、結果がでないということにつながります。

 

このような錯覚はリハビリのそこかしこに存在し、治療の邪魔をしてきます。これらをいかに認識し排除するか?が理学療法の結果を左右すると言っても過言ではないほどです。

 

次回は最も基礎的な誤解であり、ROMの効果に直結する部分を書いていこうと思います。

 

 

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