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拘縮を治すためのROMの考え方

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学校で習う関節可動域、いわゆるROMはリハビリの評価や治療に使ってはいけない評価だというのは、ある程度経験を積んだ理学療法士であれば誰でもご存じだと思います。

 

肩関節、股関節、など、『関節』という言葉を使っているので紛らわしいのですが、ROMでは『関節』については一切考慮していません。

 

「股関節屈曲制限がある」

と言われたら、ついつい

「ではROMエクササイズを行い股関節の可動域を広げればいい」

と思ってしまいがちです。

 

ですがこれは大きな誤解です。ROMやMMT治療に使うべきではない評価です。

 

 

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ROMの定義を再確認

以下は股関節屈曲についての定義です。

股関節の屈曲は、下肢全体が股関節を通る前額面の前方へくるように大腿前面を体幹に近づける動きのことである。
カパンディ関節の生理学 Ⅱ下肢

(股関節の)屈曲とは、前額面において膝を前方に移動する動きである。
その平均域は120°である。
図解関節・運動器の機能解剖 下肢編

 基本軸が体幹、移動軸が大腿、ということだけしか示しておらず、股関節、仙腸関節、骨盤などの各関節がどのように動いているのかということは何も考えていないのがROMです。

つまり、「ROMで股関節屈曲制限がある」という情報だけでは、股関節の問題なのか、骨盤の問題なのか、体幹の問題なのか?それとも筋肉の問題か、中枢の問題か?などの治療に必要なことは何も分かりません。

 

股関節屈曲は70度まで

そもそも、股関節の純粋な屈曲は70度までです。

吉尾雅春 セラピストのための解剖学 

http://www.bookhousehd.com/pdffile/msm148.pdf

ROMで言うところの「股関節屈曲」は骨盤など全身の代償によって起こっています。これを踏まえずに股関節の純粋な屈曲を無理に出そうとしてしまうと大怪我につながります。これは股関節以外でも同様です。

 

 

2種類の評価を使い分ける

リハビリの評価は2種類に分類することができます。

ROMやMMTなど、国家試験に出るようなメジャーな評価はエビデンスのための評価です。エビデンスのための評価では、肘がどれだけ曲がるか、足がどれだけ動かせるか、というようような、見かけを重視します。人体に詳しくない異業種でも体の変化を共有できる単純な評価基準が利点です。

 

ですが、リハビリを行うにあたってはROMのような単純な評価では意味がありません。足が上がらないのであれば、なぜ足が上がらないのか?関節の問題なのかそれとも別の問題なのか?といったもっと詳しい評価が必要です。

現在の日本のROMは名称が紛らわしく混乱しやすいですが、ROMは関節運動については何も語っていないということを知ると知識が整理しやすくなると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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