流体のトレーニングを習得できてくると、
「いつまで通えば治るんですか?」
「一生懸命筋トレしてるのに治らないんですけど」
など、どう答えればいいのか悩むことも増えてきたかもしれません。
まずね、患者さんに対して「あー…」て思えるのはすごいことです。
「もっと猫背してくれればもっとよくなるのになぁ」って。
ちゃんと流体を作れてる。
かなりの水準の技術です。
正直、病院のリハビリでもそうそういないレベルです。
だからこそ、そろそろ私も次の段階に進もうと思います。
体が変わったのに、脳がついていけない。
そんな患者さんとどうやっていくか、です。
これは、体を変えられる施術者にしか分からない悩みです。
この壁にぶつかれる施術者は、もう次の段階にいかなければいけません。
この段階に進める施術者がいることに、私もとてもわくわくしています(^^)ぜひ、みなさんと一緒に新しい世界を作っていきたいです。
おしらせ
AI藤田
「任せる」の段階で、患者さんにどうしていけばいいのかを対話式で答えてくれる藤田AIを試作中です。まだまだできたてほやほやなので、テストプレイにお付き合いいただけたら幸いです(^^
「治る」の次の壁、「任せる」
ここからは、自分の感情をどうこうする方向じゃなくて、
「患者さんにどう答えるか」を考えていきます。
たとえば、「筋トレしてます!」という患者さんに、どう答えるか。
患者さんが望んでるのは
「筋トレいいですね!どんどんやってください!」
ここでいきなり「猫背がいいんですよ」とか言っても、たぶん通じません。
だからいったん受け止める。
「おー筋トレしてるんですね!」
「体のこと気を使ってますね」
とりあえず、努力してるってことを認める。
これは筋トレを肯定したわけじゃないです。
患者さんは「先生が筋トレしていいって言った」って解釈しちゃうだろうけど、
そうじゃない。
もうね、究極、「へー」って言っとけばいいんです。
否定もしないし、肯定もしない。
それで患者さんが多少誤解してても、気にしなくていい。
だって、現段階ではなにをどう言っても伝わらないですから。
「へー」って言う。
それが「任せる」です。
でもね、逆に「へー」で受け流せないな、と思えば
無理に受け流す必要はありません。
たとえば、もう膝も腰もボロボロで寝たきり寸前なのに、
脅迫的に筋トレを続けてる。
そんなときに「筋トレがんばってますね〜」なんて、のんびりしてられない。
“任せる”って、何もしないことじゃない。
“受け流す”って、気持ちを殺すことじゃない。
「今は“へー”でいい」と判断する力。
「これは“へー”じゃ済まない」と感じ取る感性。
この両方を持つことが、
施術者として「任せる」の段階に進んだ証です。
でもここでも、「正論」では届きません。
大事なのは、その人の“構文”に合わせて、ちょっとだけ視点をずらす言葉。
たとえば:
-
「これだけ頑張ってきた体が、“もうちょっと休ませてほしい”って言ってる感じですね」
-
「筋トレする力があるってすごいです。でも、戻る力も同じくらい大事だったりするんですよ」
言ってることはけっこう強いけど、
“あなたを否定してませんよ”というトーンを保ったまま、違う構文を見せてあげる。
それが「任せる」の中にある、
“響かせる”という関わり方です。
これは心理学的に言うと、オープンダイアローグとかシステム論というやつなんですが、
まず大事なのは、問題を「切り分ける」ことです。
焦ってしまう気持ち
「つらい」とか「治らない」と言われたとき、
こっちは施術者だから、「なんとかしてあげたい」と思っちゃう。
焦りますよね。
でも、その焦りがそのまま行動になると――
- 「私が治しますよ」
- 「ここに来てれば大丈夫です」
って、つい言いたくなってしまいます。
でも、それが伝えてしまうメッセージ
それって実は、
患者さんにとってはこう聞こえることがあります:
「あなたには自分の体を良くする力は無いんですよ」
“任せる”のむずかしさ
これはすごく微妙なラインです。
だからこそ、“任せる”という関わり方は難しい。
たとえば──
- 「私はあなたを信じてるから、何もしないんですよ」
- 「あなたはどうせ自分でどうにもできないでしょ?」
この2つの態度は、外から見るとそっくり。でも、内側のスタンスはまったく逆です。
“任せる”とは何か
“任せる”っていうのは、患者さんを突き放すことじゃありません。
「治る力があなたにある」と信じたうえで、その場に一緒にいること。
「治す」と「任せる」の違い
-
「治す」の段階では:
信じてるから施術する -
「任せる」の段階では:
信じてるから見守る
技術としての“任せる”
その中でときどき大事になるのが、
- 言葉の添え方
- 呼吸の間の取り方
- 手を添える場所ひとつ
これだけで、
「大丈夫ですよ」「急がなくていいですよ」
というメッセージを伝えることができます。
これが、“任せる”段階にある施術者の
技術であり、感性です。
次回へ
次は、そのための具体的な会話例を紹介していきますね。
たとえば:
「いつまで通えばいいですか?」
という質問。
ここにも、“任せる”スタンスが問われています。
会話例1:「いつまでに治るんですか?」
患者:「いつまで通えば治りますか?」
施術者:「期限があると不安になりますよね。でも体は“治す順番”があるんです。
その流れが始まっていれば、大丈夫。ちゃんと体は追いついてきますよ。」
会話例2:「施術のあとに痛くなった」
患者:「前回のあと、痛みが強くなったんですけど…」
施術者:「変化が出てきた証拠かもしれません。
動いてなかったところが反応すると、そうなることもあります。
少し調整しながら進めましょう。」
会話例3:「本当にこれでよくなるんですか?」
患者:「ほんとに今の施術でよくなるんですか?」
施術者:「そう思いますよね。
今はまだわかりにくいかもしれませんが、体の深いところが動き出してます。
数日後に“あれ?”って感じる瞬間が来ると思います。」
会話例4:「ちゃんと通えば絶対治るんですよね?」
患者:「ちゃんと通えば絶対治りますよね?」
施術者:「“絶対”って言いたくなるお気持ち、よくわかります。
でも体は予定通りに動かないこともあるんです。
ただ、いい方向に向かう流れができているかを一緒に見ていけたらと思います。」
こんな感じで、いったん患者さんの話を否定せずでも肯定もせず「任せる」。
この感じはいわば気持ちの流体です。体の流体という土台の上に気持ちの流体も作っていく。これが「治る」が出来てしまった施術者の次のステップであり、また施術者としての最終段階だと思います。