股関節の真の屈曲角度は70度 を3Dで解析
『脳卒中理学療法の理論と技術』など様々な著作を書かれている吉尾雅春先生の研究によると、股関節の屈曲角度は70度だそうです。吉尾先生は実際のご遺体で股関節を屈曲させた場合、屈曲70度前後で大腿骨と骨盤がぶつかってしまいそれ以上屈曲しないという研究をされていました。
吉尾先生の書かれた研究はこちらから読めます
http://www.bookhousehd.com/pdffile/msm148.pdf
つまり、従来のROM非常に危険です。
靭帯や筋肉を無理に引き伸ばしたり骨同士をぶつけるため、靭帯損傷や骨折などを引き起こしてしまいます。
↓一見、ごくごくあたりまえの股関節の動きに思えますが・・・
股関節部分を拡大すると、大腿骨頚が骨盤にめり込んでいることが分かります。
動画での解説はこちら。
こちら↓は3Dモデルを自分で動かして大腿骨が骨盤にめりこむ様子を見ることができます。めりこむ部分に赤いしるしをつけてみました。
吉尾雅春先生はご遺体を実際に動かしてみることで股関節屈曲角度が70度であると結論づけられたようですが、このようにデータを解析しても同様の結果となります。
患者さんにケガをさせてしまわないためにも、セラピストにはぜひ3DROMの考え方をしていただきたいと思います。
次回以降、いわゆる「股関節屈曲」という動きは実際はどのような運動なのか、股関節ROMや歩行訓練はどのように行うべきなのか、骨格モデルを用いて解説していきます。
参考過去記事