進化から理学療法を考える 姿勢発達研究会のブログ

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手足のリハビリには体幹なんて関係ない?という誤解の原因を考えてみた

上下肢が数十センチから1メートル近く動くのに対し、体幹はせいぜい数ミリから数センチしか動きません。そのため、極端に姿勢が崩れていなければ体幹へのアプローチは後回しになりがちです。

肩が上がらないから洗濯物が干せない、膝が曲がらないから正座できない、となったときにやはり目立つ部位である肩関節や膝関節だけを見てしまいます。体幹のわずかな回旋が誤差に思えてしまうのは、関節運動を平行にイメージしているからだと考えられます。

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もしも、↑このように関節が平行に動くとすれば、肘部がほんの2mm動かなくても手部もたった2mm動かないだけです。この場合、肘部の2mmの可動域制限は誤差の範囲と考えていいでしょう。ですが、これでは前腕がもげて大怪我をしています。

実際の関節は↓以下のように扇型に動きます。

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肘部のたった3mmの動きが手部では30倍の大きな動きになります。この場合

肘部が2mm動かなくなると・・・

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肘部がたった2mm動かないだけで、10cm動いていた手部は3cmしか動かなくなります。これでは生活に支障が出そうですね。

 

この例えは肘と手という小さな部位ですが、それでも中枢がほんの髪の毛一本分動くだけで末梢が大きく動くというイメージはつかめると思います。

 体幹の微小な運動の重要性

 先程は手先の動きと肘関節を考えましたが、今度は手先と脊柱を考えます。

まず、脊柱と上肢の長さは大まかに以下のようになります。

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体幹が動かず、肘だけで手先を動かす場合。

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中枢の3mmの動きが末梢では30倍の10cmの動きになります。

②脊柱側屈により手先を動かす場合。

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この場合、たった1mm脊柱が側屈するだけで手先を10cm動かすことができます。

1mmで10cmなので、肩関節が完全に動かない場合でも、脊柱が2cm側屈すれば上肢最大挙上ができる計算になります。

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これはかなり単純化した思考実験ですが、このように考えてみると腕が上がらない原因として肩関節の可動域を改善するより脊柱の可動域を改善するほうがずっと能率的ということがわかりやすいと思います。

 

 

次回講習会は体幹のハンドリングがテーマです。

脊柱の1mmの動きが末梢では80倍や200倍近く増幅されるため、脊柱の可動性は非常に重要ですが、同時に脊柱は中枢神経を保護する役割があり、むやみに動かすと怪我をします。

 

 

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