現在開催予定の講習会一覧です。
体験会
動画では伝えきれない実際の体の変化を体験する会です。
初参加の方も多いので、気軽にご参加ください。
肩甲上腕関節は股関節と同様、自由度の低い関節です。
自由度の低い肩関上腕関節ですが、胸鎖関節や体幹の代償動作を組み合わせることで上肢の様々な運動が可能になっています。
肩関節の複合運動といえば肩甲上腕リズムが有名ですが、実際には肩甲上腕リズム以外にも様々な複合運動が肩関節の可動に関与しています。
これら全身の微細な複合運動をきちんと評価し、改善してゆけるようになるための講座です。
正しい運動方向を理解さえすれば、肩関節は治りやすい部位です。
肩関節の骨形状から導き出される正しい運動方向を理解すると、これまで改善不可能だと思われていた肩関節の拘縮や痛みも改善が可能になります。
何十年も苦しんでいたひどい肩の痛みが治った
様々な治療を試したが治らなかったしびれが治った
あきらめていた運動ができるようになった
など、これまで治らなくても仕方ない言われてしまっていた多くの方のために、ぜひ多くのセラピストに肩関節の正しい立体運動を学んでほしいと思います。
■内容
基礎編
・肩甲骨、上腕骨の模型作成
・模型を使って基本の触診の復習
・教科書的な肩関上腕リズムの復習
・肩関節全体の自由度は高いが、肩甲上腕関節の自由度は低い理由
実践編
・肩関上腕リズムの実際
・肩関節の可動域改善方法
・肩の痛みの原因の特定方法
・ケーススタディ
など。
対象:PTOTST・その他医療従事者・学生・鍼灸師・マッサージ師・ボディワーカーなど
日時 7月9日(日)10時から16時
場所 岩槻東口コミュニティセンター
岩槻駅東口コミュニティセンター/公益財団法人さいたま市文化振興事業団
人数によって場所が変わることがあります。事前にお送りするメールをご確認ください
受講料 12000円
再受講割引 旧肩関節編を受けたことのある方は8000円
お支払い方法・お申し込みから2週間以内にカードまたは銀行振り込みをお願いします。
キャンセルポリシー・少人数制のため、お申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。ご了承ください。
定員 5名程度
以下のリンクからお申し込みください
http://sinka-body.net/kousyuu.html
折り返し受け付けメールをお送りします。
O脚やX脚、内反変形や伸展制限、膝折れなど、膝の様々な変形は膝単体をいくら治しても根本的には解決しないため、個別の部位より全体のアライメントを見るのが大切なのですが、そうはいってもどのように全体を評価すればいいのか具体的な方法が分からず難しく感じてしまうのではないでしょうか。
まずは下腿内反=股関節の内外旋 という考え方を身につけると下肢全体の評価法が分かります。
下腿の内反やO脚などのアライメント異常=膝の変形 という考え方は人体を平面で捉える考え方です。
この考え方をすると、変形した部位をまっすぐにすれば治るような気がしてしまいますが、関節モビライゼーションなどを使って変形部位のみをまっすぐにしてもあまり効果が出ないのはなぜでしょう。(注・変形部位のみに関節モビライゼーションをしても効果がないことは多いですが、全身を評価して原因をつきとめれば関節モビライゼーションはとても効果的です。)
ヒトの動きを立体的に捉えたとき、『屈曲』と『外転(外反)』は同じものになります。そう考えると膝の外反変形は屈曲拘縮と同じものということが分かります。
外反変形、というのは実は存在せず、膝屈曲と股関節外旋が合わさって見かけ上の変形が起こります。
算数のような式にすると
下腿内反=膝の屈曲+股関節外旋
です。
もちろん、長期間負荷のかかる動きをすることにより関節破壊が起こるので長期的には平面的な内反変形も起こってきます。ですがその場合も内反変形に注目するのではなく本来の原因である膝屈曲と股関節回旋にアプローチしていくと改善が見込めます。
今回は膝を例に挙げましたが、アライメントを理解する上で、見る角度によって180度違う症状に見えてしまうという考え方はとても大切です。
はさみ足と外転歩行、膝折れと伸展制限、結帯結髪動作など様々なことに応用できる基本の考え方です。
拘縮や可動域制限の原因として、筋が短縮しているからだ、と思ってしまっていませんか?このような考え方を出発点とするとなかなか本質が見えず手技が上達しない原因となってしまいます。
筋短縮による可動域制限というと一般的にはこのようなイメージだと思います。
ですがこれは筋の構造上と中枢のシステム上無理のある考え方です。
このような考えを出発点にしてしまうと「短くなっている筋を伸ばせば治るのではないか」という発想になってしまいますが、実際には無理に伸ばすと筋繊維を破壊します。
筋の持続的伸張を行う手技は沢山ありますが、私の知る限りではどの手技も単純に伸ばすのではないということにきちんと言及しています。ですが学び始めの初心者のセラピストには「ゆっくり愛護的に伸ばせばよい」という誤解をしている方も多いので、しっかりと基本の考え方を身につけてほしいと思います。
筋の短縮は存在しない、と言っても実際に触診してみると主動作筋ががちがちに固まっていることが多いですし、外科的な腱伸張術などで可動域が改善しますので、なかなか理解が難しいかと思います。なぜ見かけ上の筋短縮は起こるのでしょうか?
筋は神経からの電気的な刺激を受けて収縮します。拘縮などの望ましくない収縮を起こすのは多くの場合、姿勢制御能力の低下や抗重力戦略のバグなどが原因です。拘縮の治療のためには拘縮した関節へのアプローチの前に全身や体幹へのアプローチが必須です。このあたりの考え方は全体像を考える機会があまいないため、しっかりプロトコルにしていきたいです。いずれブログでも書いていきます。
筋は一定方向に筋繊維が走っています。そのため、一定方向には伸張しますがそれ以外の方向には伸張しないという性質があります。
これが見かけ上の筋短縮の二つ目の原因です。これを踏まえると、ただ引き伸ばすのではなく正しい方向に引き伸ばすことが重要であるということが分かります。
一般的には、筋が短縮したから正常な伸張をしないというイメージをしがちですが、ここには筋をどのように伸張したか?という考え方が抜けています。
筋の構造を踏まえると、筋が短縮したように見える状態とは、筋の本来の運動方向とはズレた方向n引き伸ばした状態です。
関節と筋の立体構造を踏まえ、正しい方向に動かすとごく軽いタッチで数秒で変化が起きるため持続的伸張や圧迫を行う必要はありません。まずは筋の起始停止を本や図ではなく、実際の骨格模型や3Dデータで確認してしっかり立体でイメージしつつ動かしてみてください。
残念ながら現在学校で習うカリキュラムは二次元の発想が主流であり、各関節の立体的な運動方向については全く習っていないのが現状です。ですが、正しい運動方向についてよく考えることが運動リハビリの全ての基礎なので、骨格標本を確認して正しい運動方向を意識するだけで効果が全く変わってきます。
参考記事
ベットで過ごす時間の多い方の場合、下肢の拘縮も強くなりがちです。
膝や足部に拘縮が起きてしまうと動作がますます困難になってしまうため、可能な限り関節をよい状態に維持したいのですが、長期臥床の方の場合は麻痺があったり体力が落ちていたりと様々な要因があるため拘縮の改善も難しいことが多いです。
寝たきりの方の廃用性拘縮の場合はとくに、全身状態や麻痺の程度といった拘縮部位以外の場所に原因があることがほとんどです。
そのため、膝拘縮や膝変形のリハビリとして膝のROMだけを行ってもまず改善はしません。全身状態がら膝を治すという考えがとくに大切になります。
臥位や座位であれば膝は単独で屈伸することが理論上は可能ですが、本来の膝関節は立位や歩行時の衝撃緩衝部位として働くようにデザインされています。
一見膝だけが曲がっているように見えても、実際には骨盤や体幹の位置が関係します。
つまり、たとえ臥位や座位であっても股関節や骨盤のアライメントが膝の拘縮や変形に大きく関係します。
骨盤と膝の環形は、歩行パターンの影響を受けるため
骨盤後傾→膝伸展
骨盤前傾→膝屈曲
となるケースが比較的多いようです。
どちらにしても膝を治すためにはまず骨盤の位置を変える必要があります。
そのため、寝たきりの方の膝拘縮の改善のためには、まずはベットから浮いている部分にクッション等でポジショニングを行うのが基本です。
ポジショニングを行った後に可動域訓練を行うのですが、この場合もいきなり膝を動かすのではなくまず骨盤のコントロールを高める必要があります。
骨盤の可動性を上げることなしに膝を動かそうとすると痛みが起きたり靭帯を痛めますので、膝を触るのは一番最後にしてください。
骨盤のコントロール法を覚えると、膝だけでなく尖足などの治療にも非常に効果的です。
講習会では骨盤や体幹から膝を治療する考え方をじっくり行います。
反張膝の治療にクワドを鍛える、ついやってしまいがちですね。
最近、過去に開催した講習会の再開催をリクエストいただくことが多くなりましたので、日程や内容を調整可能な少人数プライベート講習会システムを試験的に導入してみることにしました。
過去に開催した講習会の再開催やご希望にあわせた独自の内容
過去の講習会についてはこちらからご覧ください
講習会のお知らせ カテゴリーの記事一覧 - 進化から理学療法を考える 姿勢発達研究会のブログ
ご希望日をお知らせください。
1人から3人程度
それ以外の場所をご希望の場合、場所代と交通費をご負担ください
15000円
以前に同じ内容を受けたことのある方は5000円引きとなります。(2017年末まで)
大腿骨の内側踝は外側踝より大きく、よって下腿は生理的外反する、というのは教科書に書いてありますが、場所によっては下腿が内反することまで言及されている教科書はあまりありません。
下腿の外反外旋だけでなく、内反についてきちんと理解することで正しいリハビリが行えます。
膝は 内側踝>外側踝 という形状をしているというのはよく教科書に載っています。しかしこれは大腿骨底面に限った話であり大腿骨前面と後面では違うパターンになっています。
つまり、下腿の生理的外反は大腿骨底面限定の話です。
大腿骨底面において 内側踝>外側踝 のため、下腿は生理的に外反します。
ですがそれだと下腿が地面に対して斜めになるので困ってしまいますね。
このように下腿が地面に対して斜めになってしまうのを防ぐため、大腿骨が内反します。
ここまでは基本です。ですがこれだけを知っていてもなかなか臨床で応用できない部分でもあります。
大腿骨遠位端の関節面は前方まであります。つまり、関節面だけ見ると反張膝になるのがあたりまえです。
つまり、膝を骨形状によってロックするためには必ず反張膝になってしまう、だから四頭筋などを鍛えて筋力で支持できるようになる必要がある・・・というのが従来の考え方かと思います。
ですが、下肢筋力のみで全体重を支えることは大変能率が悪くすぐに疲労してしまいます。膝を筋力のみで固定するということはつまり常に空気イスをしているようなイメージです(空気イスは重心が後方になり回転モーメントがかかるためさらに負荷がかかりますが、重心が基底面内にあっても基本は同じです)
ヒトは本当にそんな大変なことをやっているのでしょうか?
ここでもう一度じっくりと膝の構造をみてみましょう。
底面ではよく言われている通り 内側踝>外側踝 でした。
ですが前方ではこれが逆転して 内側踝<外側踝 となります。
大腿骨底面では内側踝>外側踝 つまり、膝屈曲0度以上で下腿は生理的外反ですが
大腿骨前方では内側踝<外側踝 つまり、膝過伸展時に下腿は生理的内反をします。
膝過伸展時には下腿は内反しています。
つまり、下腿の内反内旋を防止すれば反張膝を防ぐことができます。
骨を平面的にだけ捉えていると、反張膝は筋力で防止するしかないように思えてしまいますが、実際に反張膝を防止しているのは筋力のみではありません。必要なのは大腿骨と脛骨をちょうどよい位置に持ってくることのできるバランス能力であり体幹操作能力です。
反張膝になってしまうのは筋力が足りないからではなく、膝伸展時に下腿を外反外旋、つまり大腿骨を内反内旋するというリズムが崩れているためです。
リズムの崩れを無視したまま筋トレを行うのはリズムの崩れを悪化させ関節に負担をかけるだけですので、まずは体幹と大腿の操作能力を上げることが重要です。
昔はヒトの歩行を行うためには骨を動かしたり体重を支えたりするためには筋力がなにより重要だ、という考え方が主流でした。
ですが近年、歩行や立位は床反力や摩擦を利用しており、従来考えられていたより筋力は必要なく、むしろ重力や慣性といった物理作用を上手く利用するためのギミックが重要であるという考え方にシフトしてきています。
重力や慣性などを上手く利用するギミックの一つが、今回取り上げた内側踝と外側踝の底面と前面の形状の違いです。ヒトは膝の回旋を変えるというギミックを作成することでで膝の可動性を維持したまま膝折れせず体重をささえるという矛盾をクリアしています。
セラピストであれば見慣れている骨格標本ではありますが、あらゆる場所にあらゆるギミックが仕掛けられていますのでぜひお手持ちの骨格を見直してみてあげてくださいね。
これまでは講習会で骨の模式図を作成していましたが、今後の講習会では骨形状が手にとって分かるスライス模型を実際に作成しお持ち帰りいただけるよう現在構想中です。
3月、4月に膝講習会を開催します。
そのほかの講習会情報はこちら
参考記事
拘縮=筋短縮や軟部組織の硬化 と捉えると治らなくなる理由を書きました。