進化から理学療法を考える 姿勢発達研究会のブログ

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連載2回目・私が、“関節拘縮だからROMエクササイズをしよう”と思えなくなった理由

拘縮と痙性とは何か?、長年の拘縮だから治らない、は果たして本当だろうか?関節可動域制限に対してもみほぐしやROMは正解なのだろうか?を考える連載の二回目です。

 

30年も拘縮しているのだから、治らない??

クライアントAさんは、 
小児麻痺 知的・身体的発達障がいをお持ち 
いつも笑顔で明るい30代女性です。

 腰を深く反らせて引き上げ、両足ともにつま先立ちで踵が床に着くことはなく、両肩を思いっきり引き上げて、肘をしっかり曲げ、手は肩より上の位置にして、一生懸命バランスをとりつつも、何かに頼ってなんとか歩くという状況でした。そして、お仕事は、空き缶洗い。シンクにお腹を押し付け、前方に上体が倒れこませるようにしながら、辛うじてつま先が床についているような姿勢で作業をしていました。

 Aさんの足関節は関節拘縮だから、仕方がないのかもしれない、、、そう思っていました。

 

「拘縮」は「拘縮」ではなかった!


しかし、ある日、あるとき、“足関節の拘縮”ではなかった、ということをAさんは私に示してくれました。

プラットホーム上でのリハビリが終わると、いつものように靴を履きます。
靴の脱ぎ履きは自立レベル。ズボンの裾をガッチリ掴んで持ち上げ、足を組ませて靴を履きます。
これはいつもの風景ですが、なぜかその日はその風景が私にはとても不思議に見えました。

不思議ポイント① ズボンの裾を手で持ち上げる
 Aさんは 歩行:中〜軽介助レベルで、下肢はしっかり動かせます。自分で足を組もうとしてるのですから、少しでも足(脚)の方が動いてもよい場面です。
しかし、Aさんの脚は自ら動こうという感じは無くありませんでした。「動こうとする脚を手でサポートする」のではなく、ズボンの裾をしっかりと掴んでまるで重たい“モノ”を手で持ち上げているように見えました。

不思議ポイント②  足を組ませて靴を履く
 この動作は、一般の方にも良く見られることで、見慣れている風景です。しかし、この日は妙にひっかかりました。
何が気になったかというと、膝の上に乗せられた“足(下腿)”が、私には「ヒトの足に見えなかった」ことでした。
Aさんはまるでお人形さんの頭に帽子を被せるように自分の足に靴を“被せて”いる、、、。
やはり、この場面でも足は“モノ”として扱われていて、足も“モノ”のように自ら動いている感じがなく、彼女の足は、「靴を履く」という動作に何も参加していませんでした。
 
 この現象の解釈として考えてみると、、、
① 脳性麻痺のため、随意運動そのものが全くおこせない
② Aさんの足関節は、関節拘縮のために完全に固まってしまったため、動かそうとしても自ら全く動かせない
③ ①② の両方
④ そもそも動かそうとしていない

①はすぐに否定できます。なぜならば、足部への圧刺激を行うと、くすぐったかったり、少々痛みがあると、わずかながら確実に動くことがあるので、ほんのわずかでも動きが起きてもよいはずです。

②も否定できます。背臥位にてリラックスしたときは、他動ではわずかながらも足関節は動きます。神経的な信号は来ているのに、関節拘縮のために動かせない、ということはありえない、ということになります。

③の可能性はありえない

とすると、、、この選択肢においては
④しか残らない、ということになります。

 そこで行ったのは
床に靴を置いて、靴が動いてしまわないようにサポートしながら、足を靴に入れてもらうことでした。
「お手伝いするから、足を靴に入れてみて」
私は、Aさんにそうお願いしました。

 Aさんはどのような動作をしたでしょうか?
私が全く想像していなかったことが起きました。
ここで、読者のみなさま、想像してみてください、
Aさんはどのような動作をしたでしょうか???


次に続きます。

動かない→軟部組織の変性→他動でもみほぐし、自動で運動、とあたりまえのように考えてしまいがちですが、それは本当に「動かない」なのか?条件を変えたら動くのではないか?という試行錯誤が治療を考える大切なプロセスです。

“関節拘縮だからROMエクササイズをしよう”と思えなくなった理由

今回の記事は中枢系疾患に詳しい伊藤先生の寄稿です。

関節拘縮は治らない?

「何年も動かしていないから、関節拘縮になっているのは仕方ない」
「関節拘縮を悪化させないように、早いうちからしっかりと、関節可動域運動(ROMエクササイズ)をしなければいけない」
リハビリの臨床現場ではよくよく聞かれることなのではないでしょうか。

私もみなさん同様、諸先輩方が言うそのような内容に反論する確証もなく、
「そんなのもなのかな、、、」と思いつつ、
理学療法士としてやもやした気持ちで過ごしていました、、、
とあるクライアントAさんに出会うまでは、、、。



クライアントAさんは、 
小児麻痺 知的・身体的発達障がいをお持ちの
いつも笑顔で明るい30代女性です。

Aさんと出会ったのは、障がい者のための就労支援B型・生活介護施設。いわば、障がいをお持ちの方のためのお仕事の場とデイサービスとが一緒になったような施設です。
ここでの私の仕事内容は、月に2回、個別リハビリを4時間で14人行う、というものでした。

初対面での会話
私:どこか痛いところはありますか?
Aさん  :あのね、腰が痛いの。(x.x)
施設看護師:あ、この人、腰が痛い腰が痛いといつも言っているので、気にせずにリハビリやってください(^^)

 施設の看護師さん(以下Ns)によると、午後の活動(レクリエーション)の時間などにしばしば「腰が痛い!」という訴えがあるのだそう。
訴えが多いので、「注意獲得のためのわがまま」と判断されているようでした。
あまりのその訴えが強過ぎてスタッフが対応できない状態になるとさらに感情が高ぶり、ときには“かみつき”行為になることも起こるような状態でした。
Nsが腰痛の訴えを「気にしないでください」と言ったのにはこのような背景があったからでした。

 Aさんは施設内では車イスこそは使いませんが、歩行は、中等度介助レベル。
介助者は片腕をサポートするか、Aさんに肩をしっかりつかまってもらう必要がありました。腰を深く反らせて引き上げ、両足ともにつま先立ちで踵が床に着くことはなく、股関節の内旋が強いため左右の膝はほとんどくっついたような状態。
両肩を思いっきり引き上げて、肘をしっかり曲げ、手は肩より上の位置にして、一生懸命バランスをとりつつも、何か(スタッフの肩)に頼ってなんとか歩くという状況でした。
 
 Aさんのお仕事は、空き缶洗い。シンクにお腹を押し付け、前方に上体を倒れこませるようにしながら、辛うじてつま先が床についているような姿勢になってしまうので、体幹を一層強く反らせて作業をしていました。
一度始めると集中して1時間くらいは立ちっぱなし。
作業そのものは1日1~1時間半程度とはいうものの、彼女にとっては大変な労働です。

 確かに、Aさんの強い訴えには注意獲得的な要因も含まれていたのだとは思います。
しかし、あれだけ腰を引き上げていれば誰でも腰が痛くなるのは必至で、とくに午前中の立ちっぱなしの仕事の後となれば、「腰が痛い!」と訴えたくなるのも当然なのかもしれません。
それが、スタッフさんにかまって欲しいという気持ちと重なればなおのこと、彼女は痛みをより強く感じてしまっていたかもしれない、と想像できます。
一方、スタッフさんの立場を考えれば、日常的な腰痛の訴えにどう対処することもできず、時には感情的になってしまうAさんに手をこまねいていたようでした。

 さて、リハビリとしては、
  ① 腰痛の緩和
  ② 立位の安定性向上(空き缶洗い作業の身体の負担を減らす)
  ② 歩行安定性の向上
 この3つが、目下の目標になりました
介入するにあたり良かったのは、Aさんはとても人懐っこく、ボディタッチされることに全く抵抗を示さなかったこと、そして、言語指示を一生懸命実行してくれようというリハビリに対する積極的な気持ちがあったことでした。

 一方で、ボディースキーマに決定的な弱さがありました。
例えば、プラットホームに「上向きに寝ましょう」と指示すると、枕の上にちゃんと頭をのせることができず、必ず、プラットホームに対して身体が斜めになったり、うえ過ぎたり、下過ぎたり、、、
「壁の方を向いて横向きになってみて」という指示に対しては、片方脚を横に投げ出して、頭を枕から外して「こう?」と一生懸命こちらのリクエストに応えようとしてくれていました。

 そして、今回のテーマになる足関節ですが、
背臥位になると脱力するのでほんのわずかに可動域があり、底屈位ながらも恐らくは2~3°は受動的には動きました。
とはいえ、それ以上動かそうとしても全く動くとする気配はありませんでした。
下肢全体をみると、股関節は内旋で固定し足部の動きはとても少ない、典型的な小児麻痺の特徴です。
 
 課題①腰痛の緩和 については、
月2回介入を進めるにつれて、3カ月程度で訴えはそれほど強くなくなり、半年経ったころから「痛くなくなったの!」と言ってくれるようになりました。3年経った今でもたまに訴えはありますが、数カ月に1度程度で、スタッフさんを困らせるようなことは無くなりました。

 腰痛が緩和してくると、腰部の引き上げがわずかながらも和らぎ、バランスがとりやすくなったといってよいでしょう、歩行時の介助量は明らかに軽減していきました。
Aさんがスタッフの肩にもたれる重さが軽くなり、軽介助レベルといってもよいくらいにはなりました。笑顔が増えて、かみつきもなくなりました。

 課題② 立位姿勢の安定性向上については、
シンクと腹部の間にロールタオルを挟むことで、だいぶ安定した状態で、作業ができるようになっていました。

足関節が拘縮しているから、歩行が困難なのは仕方がない??

課題③については、、、
 当然ですが、踵は地面から浮いたまま、つま先立ちで歩いていることに対して、「仕方がいない」と思っていました。
足関節にいわゆるROMエクササイズをしようとしても、むしろ抵抗するように固く、改善するようにはとても思えなかったため、行いませんした。
足関節は底屈位で関節拘縮しているから、仕方がないのかも、、、と思っていました。
なぜならAさんの30数年とううながい歴史の中で、“関節拘縮”してきたのですから、、、。
 それでも、腰背部の過剰な力がわずかならも緩んでくると、立位や歩行が少しずつ安定しているという変化に目を向けてリハビリを行っていました。

 そして、ある日、あるとき、“足関節の拘縮”ではなかった、ということをAさんは私に示してくれました…

 

 

 

 

つづきます。
臨床では、拘縮は治らない、仕方がない、というのは必ずしもすべての疾患に当てはまるものではなく、拘縮だからと思ってしまっている部分に意外な原因が隠れていることが多くあります。
Aさんはどのような原因で歩行が困難になっていたのでしょうか?
次回は、長年の麻痺や拘縮でも「ある要因」を考えることで解決する場合がある、という具体例を書いていただく予定です。

【ナイトセミナー】CVAの拘縮、痙縮の原因別評価と適切な治療について

中枢性疾患の現場では


「この患者さんには拘縮がある」

「関節が硬くなってしまうから動かさなくては」

 

という言葉がよく聞かれます。

ですがはたしてそれは「拘縮」なのでしょうか?

たとえば、中枢性疾患では、臥位では問題ないが座位や立位をとると緊張が上がるという運動時過緊張という現象が発生します。この場合、臥位であれば関節を動かせるのであれば軟部組織には問題ないはずです。こういった方にROMエクササイズやマッサージやモビライゼーションを行うのは的外れな治療になってしまいます。

 

 

中枢性の疾患では、末梢の筋や関節を動かすだけでは根本の解決にはなりません。

 

拘縮=筋や靭帯などが変性すること

痙性=中枢神経系からの異常な指令により筋が過緊張になること

 

の二つをきちんと区別し、原因に沿ったアプローチを行う必要があります。

 

【「拘縮」への治療が逆効果になることも…】

過剰なマッサージや過剰な運動の後にかえって痙性が強まってしまった経験はないでしょうか。

長期間の固定などが原因で単純に委縮変性してしまった「拘縮」であれば、もみほぐしたり運動したりすることで改善します。ですが、「痙性」によって脳から過収縮の指令が出ている筋繊維を無理やり引き伸ばしてしまうと筋繊維の損傷や、過収縮が強まってしまう現象がおきます。

 

【そもそもなぜ「痙性」が起こるのか】

損傷した脳が『何らかの理由』で筋肉に「収縮しなさい!」という指令を過剰に送ってしまっているのが「痙性」です。

 

つまり『何らかの理由』を取り除くことで、痙性を治療することが可能です。

 

ではなぜ「痙性」という現象が起こってしまうのでしょうか。

 

実は「痙性」は日常生活の中で誰もが経験しています。

乗っていた電車が急ブレーキをかけたとき、足の小指をぶつけた時など、侵害刺激を感じた時に無意識に体が動いていないでしょうか。脳は自分を守るために常に指令を送っています。患者さんは脳の損傷により、外部からの情報をうまく処理できなくなっています。いわば濃い霧の中で周りに何があるのか分からないような状態です。もしそのような状態になったら足がすくんで動けず、近くの手すりにしがみつくのはごく自然な反応です。

つまり、痙性の治療では「濃い霧の中にいる状態」を解除するための適切な刺激を入れる必要があります。

 

今回のナイトセミナーでは、日常で経験するごく軽度の痙性を自分の体で体験することで痙性への理解を深め、目に見えにくい中枢系のアプローチを考えてゆきます。

 

【内容(予定)】

自分の体の筋緊張を上げてみる

不随意な筋緊張を体験してみる

筋緊張が上がった状態で「拘縮」治療と「痙性」治療を実際に受けてみる

筋緊張と随意的な収縮との違いを感じる

筋緊張を正常化するためのアプローチを実際に自分の体で体験してみる

この他、時間があれば視覚や聴覚による空間把握や感覚と筋出力の解離などを行う予定です。

 

 

 

今回は体験がメインの短期間のナイトセミナーですが、時間があれば治療や理論についてもお話する予定です。

 

【痙性を理解するための二つの視点】

痙性はごくあたりまえの防衛反応が過剰に起きてしまっているものなので、患者さんの脳がどのように外部環境を捉えているのか?を評価することで治療の方向性が見えてきます。

 

1・ローカル重心

尖足やマンウェルニッケや共同運動パターンやプッシャーやぶん回し歩行など、中枢系疾患の運動障害は全てこの『グローバル・ローカル重心コントロール』で説明することができます。

上肢や下肢などの重量をうまくコントロールできないと、体幹に上下肢を引き付ける共同運動パターンが発生します。ここで重要なのはどこの重心をコントロールできていないかではなく、どうしてコントロールできないか、です。上肢の屈曲が強まってしまうから上肢の伸長を促すという「拘縮(ローカル)」へのアプローチではなく、屈曲が強まる原因である体幹へのアプローチを行います。

 

2・ボーンリズム

内骨格生物の筋は全て螺旋状に付着しています。これは筋が伸長することによる固定力と運動の伝播の作用のためです。内骨格生物では個々の関節がもろい反面、張力による固定と伝播によって全身に運動を分散させるという戦略をとっています。たとえば膝を屈曲する際に膝関節だけでなく指先や脊柱など全ての関節が張力によって順序良く動くことで膝の負担を軽減しています。

過緊張や低緊張により筋の位置が変わってしまうことでこの自然なリズムが失われると個々の関節の可動性は大幅に下がってしまいます。中枢性疾患の方の多くが股関節屈曲パターンなど決まった動きしかできなくなるのはこれが原因です。

 

 

 

 日時

1回目 1月29日(水)18時から21時

2回目 2月19日(水)18時から21時

一回目と二回目は同じ内容です。どちらかご都合の良い日にお申込みください。

 遅れる場合はご連絡ください

定員20名 最少開催人数5名

場所 新宿、杉並付近(予定)

参加費 3500円

参加資格 PT・OT・ST 学生 看護師 医師 介護士 鍼灸師 按摩マッサージ師 指圧師 整体師 ボディワーカー そのほか医療従事者など

 

お支払い方法・お申し込みから2週間以内にカードまたは銀行振り込みをお願いします。

キャンセルポリシー・少人数制のため、お申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。ご了承ください。

 

 

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【東京セミナー情報】進化とデザインから考える痙性の運動戦略と治療『体感』ナイトセミナー

最近は連続講座のほうに注力してきましたが、今回は3Dリハビリ技法がはじめての方向けの講座です。

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痙性は合理的な『運動戦略』

異常な筋緊張が起こり随意運動が阻害される痙性は脳損傷によるエラーによって発生しています。そのため治療法としては固まった筋をほぐすことで正常な筋緊張に戻す手技が主流です。

ですが痙性は単純に異常な反応というわけではなく、中枢系麻痺という異常事態に最適化した現象でもあります。痙性が起こるのは必ず根本の原因があり、原因を考えずに痙性だけを治療しても良い結果が出せません。

中枢神経麻痺は難しくない

末梢神経損傷では動かせないというある種シンプルな麻痺が発生するのに比べ、共同運動パターンなど、動かせるのに意図したように動かないという一見不可解な現象が起こります。また中枢神経系のシステムはまだ未解明な部分が大半であり、現在解明されている部分ですら複雑怪奇な上、現代医療では脳を直接修復する方法はありません。

中枢神経系の損傷においては、現代の医療水準ではブラックボックスと化している不可解な脳という器官の異常に対し、筋骨格系を介して間接的にアプローチするため難解なものとなっています。中枢系は難しいと思い敬遠しているセラピストや、よくわからず無理にROMや筋トレを行ってしまう新人セラピストも多いと思います。

 

中枢神経系は複雑怪奇であり大半が未解明です。ですが『筋骨格系とのやりとり』に限定した場合、実は中枢系は非常にシンプルな構造です。

 

脳は自分の肘屈曲角度が分からない

脳が把握しているのは関節角度ではありません。

自分が今どのような姿勢をしているのか、脳には直接把握するための装置はありません。筋紡錘、腱紡錘の伸長情報によって「二頭筋がこれだけ伸長しているのであればきっと肘も伸展しているだろう」というように推論しています。(詳しい解説は講習会で行いますが、関節位置覚は脳にとって非常に優先度の低い情報でありほとんど皆無と考えて構いません。)

 

運動器系に限って考えれば脳が受け取るのは、筋と腱がどれだけ伸ばされたか、という情報のみです。この乏しい情報から自分の姿勢を推理し目的の運動を発生させます。

 

複雑怪奇に思える中枢系麻痺の原因は非常にシンプルで、筋が異常に伸長されたり脳が筋の伸長情報を過剰に受容する場合に中枢系の麻痺が発生します。

 

ヒト進化から紐解く筋の作用

筋は主動作筋の求心性収縮と拮抗筋の遠心性収縮により作用していると思ってしまっていませんか?

ヒトは進化の過程で「省力化・複合化」を選択しました。大型哺乳類最下位クラスの運動能力しか持たない人ですが、皮膚の無毛化や肝機能の強化といった進化を遂げ、持久力では地上最強を誇ります。瞬発力では家畜のブタにすら劣りますが、野生のシカを衰弱死させさらに重い獲物を抱えて帰途につけるだけの驚異的な持久力がヒトの進化を支えてきました。

このような特殊な進化をしたヒトの筋は求心性収縮というコストの高い運動を行わず、自重と重力というコストゼロの力を運動に変換させる仕組みを発達させました。足底のアーチや背筋群のマジックハンド、下肢の螺旋ベクトルなど、ヒト特有の運動機構を理解せずに運動麻痺を治療することは不可能です。

 

ヒトは動物実験が主な現在の生理学ではとらえきれない筋作用を活用しています。それを解明するため姿勢発達研究会では3DCADや物理演算エンジンを用いて人体実験によらない膨大な研究を可能にし、さまざまなヒトの運動機構を発見、治療に活用しています。

 

従来の運動学や生理学とは大きくかけはなれた3D運動学が理解できるのかという不安を解消するため、今回は主に筋作用と痙性に注目し、理論の前に自分の体を動かして『体感』できる場を用意しました。

 

日時 2019年5月15日(水)18時から21時(遅れる場合はご連絡ください)

場所 池袋周辺

   人数によって場所を変更する場合があります

参加費 3500円

最低開催人数 3人

開催人数に満たない場合は延期します。ご了承ください

 

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PTの独立開業は違法?現役弁護士に聞くリハビリ職の起業・開業

以前は理学療法士といえば病院や施設にいるものでしたが、最近は随分と活躍の場が広くなってきました。

PTやOTが独立開業するためのセミナーなども増えてきましたが、そこで推奨されている方法は本当に安全で合法でしょうか?

 

理学療法士名称独占資格であり、開業権はありません。

でも理学療法の手技自体はオープンソースであり使用制限はありません。

 

この二つがまぎらわしく、いろいろな誤解が起こってしまっています。

理学療法士理学療法をつかって開業するのは少し複雑な法律問題をクリアする必要があります。逆に、法律問題をクリアすれば開業は合法です。

 

また、開業した場合の医療事故はどのような扱いになるのでしょうか?

治療院にいらした患者様が急変した、転倒させてしまったなどの事故が起こってしまった場合、長い取り調べや裁判、数千万の損害賠償、刑事事件の前科など全て一人で背負わなくてはいけないのでしょうか?

ネットで事故の事例は調べられても、実際のところどのようになってしまうか実感を持つのはなかなか難しいです。また我々は法律に関して全くの素人なので何を言っても憶測の域を出ません。

 

 

そこで、医療系を専門とする弁護士の先生をお招きしてリハビリ職の独立開業に関する法律のセミナーを開催していただくことにしました。

普段話を聞く機会の無い弁護士さんに直接質問できる貴重な機会です。

 

日時

12月13日(木)18時から21時

場所

 

渋谷駅徒歩5分

東京都渋谷区道玄坂2-26-3トップルーム道玄坂501号室

Google マップ

 

受講料

5000円

(連続講座参加者は無料)

 

 

 

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講習会のお知らせ

 

 

 

 

二回目開催決定・中枢系を理解するためのボディワークセミナーin埼玉

2018年10月に二回目を開催します。

 

 

今回は少し変わった形式の中枢系セミナーを予定しています。

 

 

 

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中枢系は難しい?

CVAやパーキンをはじめとする中枢系の疾患は末梢系や怪我などと比べ多様な障害像があり理解が難しいため苦手意識を持つセラピストが多いようです。

実際、「もし骨折したら骨折部位が痛いだろう」「もし尺骨神経が麻痺したら小指が動かないだろう」などと想像することはできますが、共同運動パターンがみられる中枢系麻痺に関してはどうしてそうなるのかが感覚的に理解できないかもしれません。

 

中枢系に安易なROMexは禁忌です。

卒業したての新人セラピストであれば、たとえばマンウェルニッケ肢位をみて「肘の拘縮だ」と考えて肘のROMを行ってしまうかもしれません。

ですが中枢系の麻痺は単純な拘縮ではないのでどんなに愛護的に肘を伸ばそうとしても周囲の関節や筋を痛め二次障害が起こってしまいます。「なぜ、肘が伸びないのか?」をきちんと理解するのが安全で効果的な中枢リハビリの第一歩です。

動作分析が理解の根幹

患者様の体の使い方を観察分析し、どこに負担がかかり、どこをかばって動いていらっしゃるのか、そしてどのように動けばより合理的かを考えるのが動作分析です。正確な動作分析ができなければ分析も考察も行えず、あてずっぽうの治療しかできません。

逆に、動作分析をしっかり行い、自分の身体で運動を再現できれば根拠のある効果的な治療が行えるようになります。

動作分析は大変重要ですが、重要なあまり苦手意識を持ってしまうセラピストもいるようです。

中枢麻痺は『感覚的な理解』が必要

冒頭で「健康な状態では中枢麻痺の状態を想像するのは難しい」と書きました。関節や筋には問題ないはずなのに、なぜ肘が伸びないのか、なぜ指が分離できないのか、神経学的な理論を学ぶことはできてもそれがどういう状態かを感覚的に想像することはとても難しいのではないでしょうか。

中枢麻痺は見かけの姿勢だけを真似しても理解できません。みかけだけマンウェルニッケの肢位や外旋歩行をまねしても、それは肘や股関節の可動域制限がある人の真似であって中枢麻痺の動作分析にはならず、結果として正しい治療ができなくなってしまいます。

中枢麻痺の根幹は体幹と感覚

中枢麻痺の動作分析を行うためには体幹を理解する必要があります。

脊柱、体幹の運動を分析することで中枢麻痺の共同運動パターンの発生機序を理解することができ、きちんとした治療を行うことができるようになります。

感じる、体感の大切さ

中枢系に苦手意識を感じてしまうのは、感覚的、直感的な理解を経ずにいきなり理論を詰め込まれてしまうからではないでしょうか。理論だけを詰め込むのは、全く知らない町の地名を覚えるようなものです。

「共同運動パターンで動くってどういう感じ?」

「異常感覚ってどういう感覚?」

など、素朴で直感的な理解を積み重ねることで、難しい理論も自然に理解することができます。また、すでに理論を十分理解している理学療法士も感覚的な理解を体験することでこれまでの知識が統合され、さらに高度なリハビリが可能になります。

 

中枢系を理解するためのボディワークセミナーin埼玉

日時 10月20日(土)10時から16時 

 

参加費 12000円

 

場所 岩槻駅東口コミュニティセンター

岩槻駅東口コミュニティセンター/公益財団法人さいたま市文化振興事業団

 

参加資格 PT・OT・ST 学生 看護師 医師 介護士 鍼灸師 按摩マッサージ師 指圧師 整体師 ボディワーカー そのほか医療従事者など

 

お支払い方法・お申し込みから2週間以内にカードまたは銀行振り込みをお願いします。

キャンセルポリシー・少人数制のため、お申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。ご了承ください。

定員 5名程度

 

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拘縮を治すためのROMの考え方

学校で習う関節可動域、いわゆるROMはリハビリの評価や治療に使ってはいけない評価だというのは、ある程度経験を積んだ理学療法士であれば誰でもご存じだと思います。

 

肩関節、股関節、など、『関節』という言葉を使っているので紛らわしいのですが、ROMでは『関節』については一切考慮していません。

 

「股関節屈曲制限がある」

と言われたら、ついつい

「ではROMエクササイズを行い股関節の可動域を広げればいい」

と思ってしまいがちです。

 

ですがこれは大きな誤解です。ROMやMMT治療に使うべきではない評価です。

 

 

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ROMの定義を再確認

以下は股関節屈曲についての定義です。

股関節の屈曲は、下肢全体が股関節を通る前額面の前方へくるように大腿前面を体幹に近づける動きのことである。
カパンディ関節の生理学 Ⅱ下肢

(股関節の)屈曲とは、前額面において膝を前方に移動する動きである。
その平均域は120°である。
図解関節・運動器の機能解剖 下肢編

 基本軸が体幹、移動軸が大腿、ということだけしか示しておらず、股関節、仙腸関節、骨盤などの各関節がどのように動いているのかということは何も考えていないのがROMです。

つまり、「ROMで股関節屈曲制限がある」という情報だけでは、股関節の問題なのか、骨盤の問題なのか、体幹の問題なのか?それとも筋肉の問題か、中枢の問題か?などの治療に必要なことは何も分かりません。

 

股関節屈曲は70度まで

そもそも、股関節の純粋な屈曲は70度までです。

吉尾雅春 セラピストのための解剖学 

http://www.bookhousehd.com/pdffile/msm148.pdf

ROMで言うところの「股関節屈曲」は骨盤など全身の代償によって起こっています。これを踏まえずに股関節の純粋な屈曲を無理に出そうとしてしまうと大怪我につながります。これは股関節以外でも同様です。

 

 

2種類の評価を使い分ける

リハビリの評価は2種類に分類することができます。

ROMやMMTなど、国家試験に出るようなメジャーな評価はエビデンスのための評価です。エビデンスのための評価では、肘がどれだけ曲がるか、足がどれだけ動かせるか、というようような、見かけを重視します。人体に詳しくない異業種でも体の変化を共有できる単純な評価基準が利点です。

 

ですが、リハビリを行うにあたってはROMのような単純な評価では意味がありません。足が上がらないのであれば、なぜ足が上がらないのか?関節の問題なのかそれとも別の問題なのか?といったもっと詳しい評価が必要です。

現在の日本のROMは名称が紛らわしく混乱しやすいですが、ROMは関節運動については何も語っていないということを知ると知識が整理しやすくなると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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