進化から理学療法を考える 姿勢発達研究会のブログ

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中枢麻痺は『体験』できないから難しい?への回答

前回、セロハンテープを使って感覚麻痺を疑似体験してみると、触圧覚が立位や歩行に大きく影響を及ぼしていることが分かる、というごく簡単なワークをご紹介しました。

 

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ですが、これは末梢神経系の麻痺を擬似的に再現したものにすぎず、より治療が難しい中枢系の麻痺には応用できないのではないか?という質問をいただきました。

学生さんなど、「中枢麻痺の方の歩行を再現してごらん」というと、見かけの関節角度だけを再現してしまい「それは単なる廃用性拘縮とどう違うの?」と聞いても答えられない…というバイザーの先生の苦労話は私もよく聞きます。

 

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中枢麻痺は理解不能??

現在の教育カリキュラムでは正確な知識を身につけることを最優先するため「なぜ、そうなるか?」という根本を教わる機会が少なくなっています。そのため

  • 中枢系は難しい
  • 中枢系は感覚的な理解ができない
  • そもそも、単なる拘縮と中枢麻痺の違いが分からないからROMしかできない…

などということも起こってしまいます。

ですが、学校で習うような旧式のROMやMMT脳卒中パーキンソン病などの中枢系疾患の方に行うのは大変危険です。効果がないだけならまだしも麻痺を悪化させ二次障害を引き起こしてしまいます。

 

中枢系のリハビリテーションを理解する第一歩として、中枢麻痺とは何か?をごくごく簡単に、知識より前にまず『体感』することが必要です。

 

中枢麻痺が疑似体験できる理論

まず、運動制御のシンプルな模式図を書きました。

目や耳、筋紡錘といった感覚器からの入力系からの情報を脳が分析し、筋へ指令を出すことで運動が起こります。運動制御は本当はもっとずっと複雑ですが、まずはこのような理解で話を進めます。

 

末梢障害の場合

末梢の運動障害の場合、運動出力系のみが動かなくなります。

(現実には末梢神経損傷で運動出力系のみが動かなくなることはまずありませんが、ここでは単純化して考えています)

 

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この状態を疑似体験するには、筋出力を十分発揮できない状態、つまり手足に錘をつけるなどすれば可能です。

 

 

中枢障害の場合

そして中枢障害の場合は情報を分析する脳が損傷するので、感覚器からの正しい入力があっても脳が正しく理解できず、運動の指示が出せなくなります。

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脳は完全に無意識に働いていますから、健康な人が脳の働きを抑制することは不可能です。よって、中枢麻痺を完全に再現することはできません。

これが中枢系が難しいとされる根本の理由です。

ですが、脳が損傷した状態は再現できなくても、脳が正常に働けない状態は再現可能です。

 

感覚障害の場合

これは末梢の感覚障害の模式図です。

末梢からの感覚入力が異常だと、脳は正しい情報が受取れず正しい判断ができません。

 

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これは非常に大雑把ではありますが、脳が正常に働けない状態、つまり中枢系麻痺を擬似的に再現した状態です。

 

バランスを崩したときや、重いものを持つときなど、普段意識しないと気づかないかもしれませんが、私たちは知らず知らずのうちに共同運動パターンのような動作をしています。この体験に気づくことが中枢系理解の第一歩です。

 

以前書いた、セロハンテープを手に貼って巧緻動作を行うワークをもう一度改めてやってみてください。

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おそらく、セロハンテープを貼っての巧緻動作では、肘が屈曲し肩が外転するウェルニッケ様パターンで動作をしていたはずです。

 

マンウェルニッケも外転歩行も、肘が曲がっていること、手指が伸びないこと、下肢が外転すること、それ自体が問題なのではありません

 

脳が正常に情報を分析できず、合理的な抗重力戦略を取れないことが問題です。

sinka-body.hatenablog.com

 

つまり、いくら肘や足を伸ばそうとしても根本の原因を把握していないと関節を痛め拘縮を強めるだけです。

中枢系のリハビリを考えるときには、重力と重心、剛体力学という視点で考えるようにしてください。

 

 

1月の無料セミナーと、3月の中枢系セミナーでは、ここでご紹介したものだけでなく、様々な体感から重力について考えていきます。

sinka-body.hatenablog.com

 

 

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セロハンテープを使って感覚麻痺を疑似体験する方法

 

今回は、感覚麻痺が運動に及ぼす影響について、体感して治療に活かしていく方法をひとつご紹介します。

 

また、今回の記事では主に末梢の感覚麻痺について考えていますが、これはCVAやパーキンソンなどの中枢系の麻痺を考える上でも重要な考え方になります。中枢系の考え方はこちらにまとめました。

 

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感覚麻痺が運動に及ぼす影響

作業療法士言語聴覚士であれば感覚を重視する場面もあるでしょうが、運動機能に注目する理学療法士の場合、感覚麻痺=凸凹が分からなくて困る、くらいの認識の方も多いのではないでしょうか。

実はほんの少し感覚が麻痺しただけでも歩行や巧緻動作に大きな影響があります。

運動療法をしても治らない、筋力や可動域には問題ないはずなのになぜかできない、などの原因の一つとして感覚麻痺による運動機能障害があります。

 

今回は麻痺などのない健康な人でも理解しやすいよう、レベルの高い巧緻動作を例に挙げます。

1事前評価

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箸を使って小さな米粒を皿から皿に移してみてください。麻痺などがなければ大概の方はできる動作だと思います。

2麻痺を擬似的に再現

次にセロハンテープを小指に巻きつけてください。

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これで小指の皮膚感覚が軽度麻痺した状態を擬似的に再現したことになります。

3予測

箸を使う動作に関係ない小指の先、しかも触覚が鈍くなっただけ、というほんの些細な麻痺体験です。

感覚麻痺=でこぼこが分からなくて困る

というだけであれば、前出の巧緻動作には全く問題なく行えるはずです。

 

4再評価

もう一度先ほどの箸で米を移動させる動作を行ってみてください。

おそらく、思った以上にやりにくくなっているはずです。肩や腕に無駄な力が入ってしまい知らず知らずのうちに共同運動パターンに近い動作になっていたのではないでしょうか。

 

5治療

小指にセロハンテープを貼ったまま、つまり、感覚麻痺の回復が望めない状態でも運動能力を向上させなければいけない場面は多々あります。そのような場合に使える治療法について簡単にご紹介します。

ここでは一番単純な治療法を試してみます。

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この方法を行うと、小指にセロハンテープを貼ったままでも巧緻動作がしやすくなっているはずです。

これは感覚入力を増やすことで感覚の異常を中枢系で補正することができるようになるからです。

5まとめ

ほんの少しの感覚麻痺でも、このように動作に大きな影響が出るため、リハビリを行う際には感覚麻痺の有無を知ることが重要になります。また、感覚麻痺を治療せずに運動を行うと能率が悪く異常パターンを強化してしまうため、運動リハの前に感覚へのアプローチが必須です。

 

運動能力の向上について考えていると身としてしまいがちな感覚麻痺ですが、リハビリはまず感覚へのアプローチをしないと何も始まらないというくらい重要です。

運動へのアプローチだけではうまくいかない場合には感覚のことを思い出してほしいと思います。

 

 

2018年1月に体感の無料セミナーを開催します

sinka-body.hatenablog.com

3月のCVAセミナーではこのような体験を多く盛り込んでいく予定です

sinka-body.hatenablog.com

 

 

 

 

仙腸関節が歩行に及ぼす影響と治療法のボディワーク

常歩行の大半は仙腸関節の可動域制限がみられます。

仙腸関節に注目し、

  • どうして仙腸関節に制限が出るのか?
  • 制限によってどのような歩行パターンになっているか?

と考えることで様々な異常歩行を分類し本当の原因を突き止めるための動作分析の考え方を身につけることができます。

 

 

仙腸関節が歩行に及ぼす影響

仙腸関節の可動性は歩行動作に大きく影響を及ぼします。

仙腸関節が動かないとどのような歩行になってしまうかをしっかり把握することが仙腸関節リハビリの第一歩です。

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仙腸関節は、健康な状態であればほとんど意識することのない部位ですが、何らかの理由で可動域制限が生じてしまうと歩行に大きな影響を与え、また、適切な治療をせず放置すると膝や腰など他の部位にも影響が出てしまうこともあります。

 

深部感覚で捕らえる可動性

仙腸関節は運動が目立ちにくい関節です。患者さんの仙腸関節を評価することはあっても、PTやOTなど、セラピストの自分自身の体仙腸関節がどのように動いているかを深部感覚として意識することは少ないのではないでしょうか。

 

ですが、自分で理解できていないことは他人に伝えることもできません。

 

我々治療家は「わるい部分をどのように治すか?」というスタート地点に注目するあまり「なにが正常か?」というゴールを見失ってしまいがちです。

重力下においてヒトという形が移動するためにはどのような運動が合理的か、ベクトルと剛体力学から「正常歩行」をきちんと考えると目指すべきゴールが見えてきます。

 

 

理論の前に、感覚的に理解する、体感して治療に活かすためのボディワーク講座、次回2018年1月のテーマは歩行と仙腸関節にしました。

様々なワークを通じて合理的な歩行と骨盤や仙腸関節運動について考えます。その場で参加者の体をどんどん変化させていく講座です。普段なにげなく行っている自分の歩行を分析・変化させよりよい歩行を習得することで、患者さんへの治療や評価が変わります。

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東京の路線図から考える、リハビリ手技を向上させる『体感』について

理学療法士をはじめとするリハビリ従事者は、運動学や解剖学について学校でみっちり習って国家試験に合格し、さらに就職後にも勉強を続けます。ですので人の体がどのように動き、どこがどのようになるとどのような現象が起きるのか、そしてそれをどのように治していくのかの知識と技術はものすごくたくさん持っていて、それを日々使って患者さんと向き合います。

ですので、それぞれ得意分野は違えどセラピストは皆さん非常に高い技術と知識をお持ちです

 

 

どんなに学んでも治せない??

それなのに、

「どんなに技術を学んでもしっくりこない」

「もっと治せるはず」

と感じてしまうセラピストは、知識や技術不足ではなくて専門知識以前の素朴で感覚的な実感が抜け落ちているのかもしれません。

 

丸暗記と体感の違い

たとえば、東京の電車は世界一複雑なのだそうです。

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すごいですね…

もしこれがRPGのマップだったら一生クリアできそうにありません…

 

私は新潟に住んでいたとき、たまに東京にいくといつも道に迷っていました。

雑誌やテレビで東京の地名は知っていて興味もあって、たまに東京にいくときには地名を覚えようと路線図や地図を眺めていたのですが、本当に全く分かりませんでした。

 

 

こちらが新潟の一番都会の部分の路線図です。

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http://www.nabic.info/rosenzu/gif/railway.png

新潟にいた当時は

線路は1本があたりまえ
電車は2両編成、そして座れるのがあたりまえ、
もそも駅まで車で1時間

という生活だったので、東京の路線図は根本的なところから理解できませんでした。

その状態で東京の路線図を見ると、カラフルな線と密集した地名がランダムに並んでいるようにしか見えないので駅名を丸暗記しかできず、実際に活用できる知識にならなかったのです。

 

体感=使える知識

でも新潟から埼玉に引っ越してきて恵比寿でお店を経営するようになってたった1ヶ月で、山手線の駅はだいたい覚えてしまいました。

実際に電車にのって「埼京線は混む」「湘南新宿ライン埼京線はだいたい同じところに着く」「池袋は埼玉から妙に近い」などを体感することで、ごちゃごちゃのノイズでしかなかった東京の路線図が意味のあるものとして理解できるようになったからです。

 

学んでも満足いく結果が出せない原因

例えが長くなってしまいましたが、実際に東京の電車に乗るという体験を積むことで、丸暗記でしかなかった路線図が、きちんと活用できる生きた知識になったという話でした。

こういった現象は全ての学問に共通です。

つまり、沢山の理論や手技を覚えるだけでは実際の現場で使える手技にならず、必ず体感を伴った経験を積み重ねる必要があります

 

臨床経験だけで補えないもの

ですが、学校やセミナーでは技術や手技は伝えられても体感を伝えることは難しく、現場でぶっつけ本番で覚えることしかできないのが現状です。

 

  • どのように体感するか?
  • 何をどう体感すれば治療につながるか?

 

を、どう学ぶかの方法論をきちんと伝えてくれる場所はあまりありません。

私自身、初期の講習会では「いかに多くの理論と手技を伝えるか」に重点を置いてしまい「理論は分かったがどう応用すればいいかわからない」「セミナーを受けて患者さんを治せるようになったが、習っていないタイプの方がいらっしゃるとどうしていいかわからなくなる」などといわれることもありました。

3Dキネシオロジー筋の起止停止という非常に明快かつ捉えやすい指標によって生物の進化と重力やベクトルを評価治療します。ですがこれだけ明確な指標があっても、熱心に学ぶセラピストほど理論だけでは治療に自信が持てない、確信が持てないと感じてしま傾向があります。

 

そのため、2017年以降、3Dキネシオロジーの勉強会では体感・実感を積むことから理論を理解する(つまり実際に電車に乗ってみて駅名を覚える)方法論を実践してきました。

理論と手技を学ぶ前に、体感を積むという流れの講習会にしてから受講生の方々の技術の向上がめざましくなり、「おもしろい」「学ぶことの楽しさが分かった」「勉強への苦手意識が払拭された」「はじめて自分の手技に自信がもてた」などの感想が聞かれるようになりました。

 

 

今回は普段の記事と少し違って、技術や理論ではなく『体感』に焦点をあてることの重要性を私自身の体験を交えて書いてみました。

今後はこちらのブログでも技術のことだけでなく体感の方法論についても少しづつ書いていきたいと思います。技術に関してもブログでは初級編くらいまでしか書けていないのでもっともっと書いていきたいです。特にキネティックチェーンや抗重力作用、動作の分離における表在筋の果たす役割などはちゃんと書かなければと思っています。

 

 

長文になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました

 

 

 

 関連記事

2018年初頭は『体感』セミナーをたくさん予定しています。

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こちらでも少しだけ体感に触れています

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二回目開催決定・中枢系を理解するためのボディワークセミナーin埼玉

2018年10月に二回目を開催します。

 

 

今回は少し変わった形式の中枢系セミナーを予定しています。

 

 

 

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中枢系は難しい?

CVAやパーキンをはじめとする中枢系の疾患は末梢系や怪我などと比べ多様な障害像があり理解が難しいため苦手意識を持つセラピストが多いようです。

実際、「もし骨折したら骨折部位が痛いだろう」「もし尺骨神経が麻痺したら小指が動かないだろう」などと想像することはできますが、共同運動パターンがみられる中枢系麻痺に関してはどうしてそうなるのかが感覚的に理解できないかもしれません。

 

中枢系に安易なROMexは禁忌です。

卒業したての新人セラピストであれば、たとえばマンウェルニッケ肢位をみて「肘の拘縮だ」と考えて肘のROMを行ってしまうかもしれません。

ですが中枢系の麻痺は単純な拘縮ではないのでどんなに愛護的に肘を伸ばそうとしても周囲の関節や筋を痛め二次障害が起こってしまいます。「なぜ、肘が伸びないのか?」をきちんと理解するのが安全で効果的な中枢リハビリの第一歩です。

動作分析が理解の根幹

患者様の体の使い方を観察分析し、どこに負担がかかり、どこをかばって動いていらっしゃるのか、そしてどのように動けばより合理的かを考えるのが動作分析です。正確な動作分析ができなければ分析も考察も行えず、あてずっぽうの治療しかできません。

逆に、動作分析をしっかり行い、自分の身体で運動を再現できれば根拠のある効果的な治療が行えるようになります。

動作分析は大変重要ですが、重要なあまり苦手意識を持ってしまうセラピストもいるようです。

中枢麻痺は『感覚的な理解』が必要

冒頭で「健康な状態では中枢麻痺の状態を想像するのは難しい」と書きました。関節や筋には問題ないはずなのに、なぜ肘が伸びないのか、なぜ指が分離できないのか、神経学的な理論を学ぶことはできてもそれがどういう状態かを感覚的に想像することはとても難しいのではないでしょうか。

中枢麻痺は見かけの姿勢だけを真似しても理解できません。みかけだけマンウェルニッケの肢位や外旋歩行をまねしても、それは肘や股関節の可動域制限がある人の真似であって中枢麻痺の動作分析にはならず、結果として正しい治療ができなくなってしまいます。

中枢麻痺の根幹は体幹と感覚

中枢麻痺の動作分析を行うためには体幹を理解する必要があります。

脊柱、体幹の運動を分析することで中枢麻痺の共同運動パターンの発生機序を理解することができ、きちんとした治療を行うことができるようになります。

感じる、体感の大切さ

中枢系に苦手意識を感じてしまうのは、感覚的、直感的な理解を経ずにいきなり理論を詰め込まれてしまうからではないでしょうか。理論だけを詰め込むのは、全く知らない町の地名を覚えるようなものです。

「共同運動パターンで動くってどういう感じ?」

「異常感覚ってどういう感覚?」

など、素朴で直感的な理解を積み重ねることで、難しい理論も自然に理解することができます。また、すでに理論を十分理解している理学療法士も感覚的な理解を体験することでこれまでの知識が統合され、さらに高度なリハビリが可能になります。

 

中枢系を理解するためのボディワークセミナーin埼玉

日時 10月20日(土)10時から16時 二回目

 

参加費 12000円

 

場所 岩槻駅東口コミュニティセンター

岩槻駅東口コミュニティセンター/公益財団法人さいたま市文化振興事業団

 

参加資格 PT・OT・ST 学生 看護師 医師 介護士 鍼灸師 按摩マッサージ師 指圧師 整体師 ボディワーカー そのほか医療従事者など

 

お支払い方法・お申し込みから2週間以内にカードまたは銀行振り込みをお願いします。

キャンセルポリシー・少人数制のため、お申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。ご了承ください。

定員 5名程度

 

お申し込みはこちら

http://sinka-body.net/kousyuu.html

 

仙腸関節と歩行:セラピスト自身の身体を向上させるボディワークセミナーin埼玉 2回目

 他の人を治しているのに、セラピスト自身の不調を放置してしまっていませんか?

 

2回目開催決定しました。テーマは仙腸関節と歩行です。

sinka-body.hatenablog.com

 

「でも、自分の体調は治療に関係ないでしょう?」

 熱心なセラピストほど、より多くの人を治したい、よりよい手技を身につけたいと思うあまり自分の体を軽視してしまう『医者の不養生』現象に陥ってしまいます。ですが、自分が知らないことを他人に伝えることはできません。

 

セラピスト自身の腰痛、肩コリ、疲労などを軽く考えていると、自分が体調不良になるばかりか治療手技のパフォーマンスも落ちてしまうことをご存知ですか?

これは全てのリハビリ手技が『ヒトの共通構造の原理』を利用していることが理由です。

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同じ種の生物は個体差はあれど基本的な構造は共通です。そのため、各関節を動かした際のベクトルも重なります。それを利用して自分の身体を動かすことで相手の身体を動かすことが全てのリハビリ手技の基本になります。

 

自分の身体パフォーマンス=治療技術

つまり、自分自身の体を向上させることが治療技術向上のために必須の基礎体力作りとなります。

とはいえ、自分自身の身体を向上させるというのは、スポーツ選手のようなすごいことができるようになることではありません。関節構造とキネティックチェーンを自分自身の身体で理解し、何が合理的な運動なのかを導き出せるようになることがリハビリにおいての身体機能向上です。

運動が苦手でも、怪我や病気があっても、変形や麻痺があっても身体を向上させることが可能です。

 

 

ボディワークセミナー 内容

上肢の3D複合運動

リハビリ手技のほとんどはセラピストの手で患者様に触ることで行います。そのため、上肢の使い方を理解することが重要です。

ROMでは計れない複合運動の見方

ほとんどのセラピストは肩や手が問題なく動くと思います。そのため、セラピスト自身の上肢の動かし方に注目する機会は少ないかもしれません。

可動域では問題なくても各関節と複合運動、ベクトルを解析してゆくと知らず知らずのうちに不合理で効果の出にくい運動パターンになっていることが患者様の拘縮や緊張につながり治療を阻害します。また負担のかかるパターンで毎日多くの患者様を治療しているとセラピスト自身の肩や腕の故障につながります。

鎖骨・第一肋骨・呼吸と連動させた上肢の使い方

呼吸時の僅かな肋骨運動を増幅させ手に伝えることで格段に繊細なタッチでハンドリングを行う方法です。

さまざまな手技を学び研鑽しても、なかなか腑に落ちない、納得いく結果に近づけないという場合には、運動学的な知見から「ハンドリングとは何か?」「ハンドリングでなにが起こっているのか?」を考えなおす必要があります。

 

複合運動を出す手技とセルフケア

他の人を治療する手技だけでなく、自分自身の身体を向上させるための評価とセルフケアについて行います。

 

他、一瞬で筋力を向上させる3Dセッティング、触っているだけで相手の体が緩む身体コミュニケーションの歯車理論、などを行います。

 

今回は物理とベクトル、3Dデータから導き出された研究に基づいたセミナーです。気功など目に見えないものは扱いません。

まず検証可能な理論のため、「やさしく触る」「のびあがるように」「気を通す」などの目に見えない感覚的な言葉が苦手な方でも理解できます。

 

 

開催情報

対象:PTOTST・その他医療従事者・学生・鍼灸師・マッサージ師・ボディワーカーなど

 

日時 1月20日(土)10時から16時

 

場所 岩槻東口コミュニティセンター(予定)

大宮駅より東武野田線岩槻駅より徒歩1分

岩槻駅東口コミュニティセンター/公益財団法人さいたま市文化振興事業団

※人数によって場所が変わることがあります。事前にお送りするメールをご確認ください。

 

受講料 12000円

 

 

 

 

お支払い方法・お申し込みから2週間以内にカードまたは銀行振り込みをお願いします。

キャンセルポリシー・少人数制のため、お申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。ご了承ください。

定員 5名程度

 

 申し込み

お申し込みは以下のリンクから行えます。

http://sinka-body.net/kousyuu.html

 

 

その他の講習会一覧

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距骨下関節とは?運動軸は?苦手な運動学を3Dですっきり解決

足首は立体的で複雑な関節のため、従来の紙の教科書での解説はとても難解になってしまっています。ですが立体をCGや動画で確認すれば実はシンプルな運動をしています。これらを理解することで歩行能力向上や尖足予防などを効果的に行うことができるようになります。

 

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足首は長期臥床や怪我などにより痛みや可動域制限が生じやすい部位です。制限が生じると歩行に影響が出ます。

また、足首は複雑な立体構造をしているため、無理なリハビリによって二次的に障害を起こしてしまうことも多い部位です。

 

 

内返し・外返しは危険

まず確認として、教科書に載っているような安易なROMは危険です。

教科書ではこのような運動を、内返し外返しと定義していますが、これは関節運動を全く無視した運動のため無理に行うと怪我や麻痺を悪化させます。

足関節の内返し・外返しはおもに距骨下関節で起こると言われています。距骨下関節のみで内返し外返しを行ったシュミレーションがこちらです。

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 角度を変えてみてみると、これがありえない動きだということが分かります。

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 距骨下関節が完全に脱臼しています。このシュミレーションでは人体では不可能なほど大きく動かしているため、距骨と踵骨がめり込んでしまっています(赤い丸部分)

いわゆる足首の捻挫はこのタイプが多いです。

 

内返し外返しはバランスや歩行に必要な機能ですが、リハビリの方法を間違えると上記のような足部の脱臼を起こしてしまい二次障害が生じます。

 

 

足首は立体的に捉える。

まずは正しい運動軸を立体的に捉えるのが安全で効果的なリハビリの第一歩です。 

今回は距骨下関節について、立体的に解説していきます。

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距骨下関節はその名前の通り、距骨の下部分を作っている関節です。

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細かく調べると立方骨などとも関節していますが、まずは距骨と踵骨を結ぶ関節と考えてみましょう。つまり、踵骨を動かすのが距骨下関節です。

 

 

距骨下関節の運動軸は床から42度、足の中心線から16度傾いていると言われています。

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立体的なので、ちょっと分かりにくいですね。

 

距骨下関節の運動軸を3D化してみました。

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図にするとこんな位置関係です。実際に自分の足で確認してみてください。

 

 

 

このように斜めの運動軸を持つ距骨下関節を動かすと、このようになります。

 

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 拡大すると各関節はこのようになっています。

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距骨下関節・ショパール関節ともに関節面に沿ってうごいているため、骨がめりこむことはありません。

 

距骨下関節が動くと、旧来ROMのような単純な内がえし外がえしではなく、円を書くような複合的な運動になります。

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立位バランスの低下や、階段昇降や坂道歩行ができない場合など足部の内がえし外がえしを出したい場合には距骨下関節の運動軸をきちんと意識することが大切です。

また足部のアライメントは全身に影響を及ぼすため、膝や股関節拘縮と痛み、円背、嚥下、肩コリなどほとんどすべての疾患において足首の評価とリハビリを行う必要があります。

 

 

また、内がえし外がえしは距骨下関節だけでなくショパール関節なども関わってきますので今後解説していきたいと思います。

 

 

 

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