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脳卒中をはじめとする中枢性疾患へのリハビリに対して苦手意識を持っている理学療法士は多いと思います。
筋肉や関節などの直接触れる部位や末梢神経系はイメージしやすく手技もシンプルですが、中枢系は「そもそも、どういうものか?」を捕らえられていないのではないかと思います。
考えたことがあるでしょうか?
「二頭筋や手指屈筋など屈筋群が選択的に収縮してしまうから」は△です。
単に随意性が低くなるだけであればいろいろな共同運動パターンが存在してもいいはずですが、実際はまずありえません。大脳でも脳幹でも小脳でも、脳のどの部位を損傷しても同じパターンが出現します。
なぜ屈筋だけが選択的に収縮してしまうのか「脳みそがそういうシステムになっているから」では理由になりません。脳が屈筋優位にプログラムされる理由を説明しないと共同運動パターンの理由はいつまでたっても分からず、治し方もわからないままになってしまいます。
新人PTにありがちですが、痙性筋をどうしていいか分からず無理にひっぱってしまうと改善しないばかりか痛みや脱臼につながります。
とかく難しく考えがちな中枢系ですが、実はものすごくシンプルに説明できます。
実は共同運動パターンは死んだ人や骨格模型でも出現します。
脳の指令とは全く無関係に起こる現象が共同運動パターンです。
一般に共同運動パターンと呼ばれている現象は脳の機能だと考えると不可解ですが単純な物理で考えれば「その時々で、いちばん重力の影響が少ない肢位」という非常にシンプルな定義ができます。
伸展パターンも同様です。
脳からの指令がとだえる→筋肉が勝手にラクな位置をとる
というのが共同運動パターンの原理です。一番ラクな位置ですから徒手で矯正してもまたすぐに元に戻ります。また脳が壊れているため「肘を伸ばそう」などと努力すればするほど悪化します。
中枢疾患は無理に引っ張っても改善どころか悪化するという原理はお分かりいただけたと思います。
片麻痺の治療では「重力に逆らわない」が原則です。
例えば手指を無理に引っ張っても伸展しませんが、前腕を回内すれば自然に手指が開いてきます。
おもしろいように緊張がとけるので、『手指の伸展→前腕の回内』というのはぜひ試してみてください。
今回はかなりざっくりと説明しましたので納得いかない点もあるかと思いますが、とりあえず『中枢系→中枢のことは忘れて重力だけ考える』と覚えておくといろいろと応用できます。
また、「手指の伸展のために必ず前腕の回内が必要だったら随意性が低く実用的でないのではないか?」と思う方もいると思います。手指→前腕 と同様に 前腕→肘→肩→体幹 と全身の連鎖を考えていくとその疑問が解けますので考えてみてください。そのあたりはこのブログでも書いていきます。
現在、おおむね月1回程度中枢系ナイトセミナーを開催しています。
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上下肢が数十センチから1メートル近く動くのに対し、体幹はせいぜい数ミリから数センチしか動きません。そのため、極端に姿勢が崩れていなければ体幹へのアプローチは後回しになりがちです。
肩が上がらないから洗濯物が干せない、膝が曲がらないから正座できない、となったときにやはり目立つ部位である肩関節や膝関節だけを見てしまいます。体幹のわずかな回旋が誤差に思えてしまうのは、関節運動を平行にイメージしているからだと考えられます。
もしも、↑このように関節が平行に動くとすれば、肘部がほんの2mm動かなくても手部もたった2mm動かないだけです。この場合、肘部の2mmの可動域制限は誤差の範囲と考えていいでしょう。ですが、これでは前腕がもげて大怪我をしています。
実際の関節は↓以下のように扇型に動きます。
肘部のたった3mmの動きが手部では30倍の大きな動きになります。この場合
肘部が2mm動かなくなると・・・
肘部がたった2mm動かないだけで、10cm動いていた手部は3cmしか動かなくなります。これでは生活に支障が出そうですね。
この例えは肘と手という小さな部位ですが、それでも中枢がほんの髪の毛一本分動くだけで末梢が大きく動くというイメージはつかめると思います。
先程は手先の動きと肘関節を考えましたが、今度は手先と脊柱を考えます。
まず、脊柱と上肢の長さは大まかに以下のようになります。
中枢の3mmの動きが末梢では30倍の10cmの動きになります。
この場合、たった1mm脊柱が側屈するだけで手先を10cm動かすことができます。
1mmで10cmなので、肩関節が完全に動かない場合でも、脊柱が2cm側屈すれば上肢最大挙上ができる計算になります。
これはかなり単純化した思考実験ですが、このように考えてみると腕が上がらない原因として肩関節の可動域を改善するより脊柱の可動域を改善するほうがずっと能率的ということがわかりやすいと思います。
次回講習会は体幹のハンドリングがテーマです。
脊柱の1mmの動きが末梢では80倍や200倍近く増幅されるため、脊柱の可動性は非常に重要ですが、同時に脊柱は中枢神経を保護する役割があり、むやみに動かすと怪我をします。
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過緊張の筋を正常にする方法は、おおまかに2つに分類できます。
1 起始と停止を遠ざける(伸張) いわゆるストレッチ
2 起始と停止を近づける(短縮) カウンターストレインなど
両者は一見、真逆のように見えますが実は同じことをしています。
曲げるのも伸ばすのも同じというと変に聞こえますが、筋緊張を落とす手技の基本は
だと考えるとすっきりします。筋は収縮したり元に戻ったりするのだから、ストレッチかカウンターストレッチかはどちらの動きを強調するかにすぎません。ただし、筋は「収縮」「収縮後もとに戻る」はありますが「伸張」はしません。そのため単純なストレッチ=引き伸ばすというのは筋生理上ありえない動きのため怪我をします。安易なストレッチはおすすめできません。
また、単純な屈伸ではなくて筋の起始停止を踏まえ3次元的に動かす必要があります。
さてここで、毎度おなじみ空き缶つぶしの原理です。
まっすぐな空き缶は潰れない。でも少し曲げた空き缶は簡単に潰れる。
これは少し曲げることによってタテの力がヨコに作用するようになるためです。
とうことは、ストレッチでも逆ストレッチでも、むやみに曲げ伸ばしするのではなく、方向性を決める初動作、つまり、空き缶をほんの少し潰す動きをしっかりと出してから筋のストレッチやカウンターストレインを行う必要があります。
そして 初動作=回旋運動 です。(なぜ回旋なのかは今後理由を書いていきます)
空き缶つぶしの法則を踏まえて、もう一度筋の運動原理を見てみましょう。
筋の生理的な運動である、「短縮」と「ゆるむ=短縮した筋がもとに戻る」はつまり、すでに空き缶を潰す初動作を行った後の動きになります。
ありえない動きである、「伸張」は、空き缶を潰したのにも関わらず逆方向に潰れているという物理を無視したアクロバティックな動きです。
さて、これを踏まえると、筋緊張を正常化する手技とは
と定義づけられます。目的の動作の前にしっかりと回旋を行うことで無理な力を入れなくても自然に筋緊張が落ち可動域が広くなります。
ちょうつがいのような一方向の動きではなく、ネジのような螺旋の動きです。
全ての運動は、単純な屈伸ではなく 回旋→屈曲or伸展 という順番で起こります。
これは、空き缶つぶしの原理、つまり、はじめの運動方向を決定付ける初動作=回旋を行ってから屈曲or伸展を行うためです。
そう考えると、肘や膝などの『蝶番』関節も実は単純な屈伸ではなくすべり転がりを行う『らせん』関節だという理由もわかると思います。
上の動画もつまり、肘や膝の すべりころがり=らせん運動 の説明です。
力任せに引っ張ったり曲げたりしてはいけません。
具体的にどの方向に回旋させるのかはおいおい記事にしていきたいと思いますが、とりあえずは左右にねじってから伸ばす方法を試してみてください。単純に伸張させるよりずっと早く安全に伸展できます。
ストレッチ=回旋させずに単純に伸ばす
カウンターストレイン=回旋させて(ゆるみの肢位)曲げる
と考えると、単純なストレッチよりカウンターストレインのほうがやや正しいということになるでしょうか。でも、ストレッチも伸張前に回旋を入れれば正しく行えます。
また、カウンターストレインの「ゆるみの肢位」は「より楽な姿勢」とされていますが、筋の運動方向を考えるとより正確に効果的に行うことができます。これも習熟するとかなり早く効果が出るようになるので、筋の運動方向についても今後書いていきます。
2月の体幹の講習会ではこれらを踏まえ、具体的にどこをどのようにねじれば姿勢が修正できるか、また、姿勢の修正が上下肢の可動域制限にどれほど重大な影響を与えるかについてやっていく予定です。
側湾や円背、姿勢の崩れ、座位バランスの不安定、などの体幹の崩れは無理に徒手矯正しても効果はありません。それだけでなく、体幹のバランスが悪い方は廃用や骨粗鬆症などの可能性が高く、無理な他動運動によって骨折や痛みなどのリスクが伴います。
ですので、体幹の調整の時には姿勢の崩れの根本の原因を考える必要があります。
体幹を調整する手技は主に中枢系疾患向けとして様々な理論がありますが今回は重力とベクトルという古典物理に基づいた一番基本の考え方を紹介します。
売っているときのようなきれいにまっすぐな空き缶を潰すのには力が要りますが、少し曲げてから潰すと簡単に潰れます。これは軸がずれることにより回転モーメントが生じるからです。
同様に、人間の体もまっすぐであれば姿勢を維持できますが、少しだけ曲がっているとさらに曲がる方向に動いてしまいます。つまり、はじめの時点でどちらに傾いていたかによって、同じ力が加わっているのに全く逆の方向に動くことになります。これが姿勢が崩れる基本の考え方です。
はじめはほんの数ミリの屈曲が時間が経つにつれどんどんと増して行き自分では修正できなくなると円背や座位バランスの低下が起こります。
姿勢が崩れるというとき、ほぼ全員が左図のように円背になります。ごく一部の例外を除いて、左のようにそっくり返ることはまずありません。
空き缶つぶしの法則のように、はじめに少し曲がった方向にさらに曲がるのであれば、偶然伸展位になったときに重力がかかれば左図のようにそっくり返る人がいてもいいはずなのに、なぜでしょう。
では、本来まっすぐだった脊柱をほんの少し屈曲させる筋肉は何でしょう。
筋肉というと大殿筋や僧坊筋などの大きな多関節筋がメジャーですが、これら目立つ筋肉ははじめの方向性を強化する役割です。
一番初めのほんの少しの屈伸を方向付けるのは深部にある小さくて目立たない筋肉です。これら目立たない筋肉は運動の補助としか考えられないことが多いですが実は全ての方向性を決定付ける重要な作用を担っています。
上肢、下肢などの部位別や作用別に筋を覚えることはあっても、単関節筋・多関節筋という分け方を意識した方は少ないのではないでしょうか。
実はこれらの深部単関節筋はかなり特徴的な配置をされていて、ほとんどの筋に拮抗筋が存在しません。つまり、脊損時の肘のような、曲がったら曲がりっぱなしで伸展しないという全く実用性のなさそうな作用をしています。
いきなり全ての単関節筋の作用を考えるのは大変なので、まずは脊柱に付着する3つの筋だけ考えてみます。
脊柱と脊柱を結ぶ起立筋を除けば、脊柱に付着する深部筋は、後頭下筋、斜角筋、後鋸筋、腰方形筋の4つだけになります。
これらが収縮すると、胸椎が屈曲したいわゆる円背姿勢になります。
姿勢の崩れのほぼ100%が屈曲位になる理由は、脊柱と頭蓋や肋骨を結ぶ深部筋が屈曲位になるよう配置されているから、という答えになります。
つまり、姿勢を矯正しようと思ったら大きな筋だけ修正しても根本の「はじめの少しの歪み」が治っていないので効果がありません。この3つの筋に対してアプローチして「はじめの少しの歪み」を修正しないと、一瞬まっすぐになっても翌日には元通りということになってしまいます。
では、深部筋はどのように修正していけばいいのでしょうか。
深部筋は体の深部にあるのでIDストレッチは効きません。非常に動きが少ない部分のため、通常のストレッチでは代償動作が入ってしまい、動かせません。体の奥過ぎるので、徒手で持続的伸張を行うのにも限界があります。ハリ治療すらも深部筋には届かないという話も聞きます。
つまり、他動や徒手でどうにかなる相手ではなく、しかも目立たない筋のため見落とされがちということになります。
拘束性肺疾患や胸郭出口症候群など、斜角筋の過緊張に四苦八苦したことはないでしょうか。ためしに手ごろな相手の斜角筋を触って緩めてみてください。かなり苦労するはずです。
次回はそんな深部筋をどのように正常に近づけるかを、脊柱の進化から書いていきたいと思います。
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一般的には未だに、いわゆる「胸をはるよい姿勢」の動き、肩甲骨の内転運動だけを行うことが肩関節の可動性を上げると思われていますが、これは大きな誤解です。
肩関節は鎖骨と肩甲骨で成り立っています。
鎖骨と肩甲骨の角度は約55度で固定されています。ここは肩鎖関節と呼ばれていはいますが回旋運動以外はほとんど可動せず癒着しています。
つまり、肩甲骨+鎖骨というユニットは「く」の字形をしています。
さて、このような「く」の字形の肩甲骨+鎖骨ユニットは、肩甲骨内転によってとんでもないことになってしまいます。
肋骨に鎖骨がめり込んでしまいます。もし本当にこうなったら大事故ですね。
みているだけで痛そうです。
肩甲骨は 外転+前方突出 が正常です。
いわゆる「胸を張った正しいよい姿勢」は凍結肩などの痛みや可動域制限を起こし野球肩などの怪我の原因になるだけでなく、呼吸パフォーマンスまで悪化する、完全に間違った姿勢です。
一見円背などを引き起こす悪い姿勢に見える肢位のほうが正しい、というのは戸惑うかもしれませんが、その理由は肩周辺の筋の付着を考えると分かってきますので今後解説していきたいと思います。特に小胸筋と前鋸筋がポイントです。
鎖骨の可動域を考える大切さについて
肩関上腕関節は自由度が低いということに関して
肩の痛みや可動域改善の基本
正しい立位を理解することはリハビリの基本といえます。姿勢矯正だけでなく呼吸理学療法や歩行にも大きく関係する部分です。
↓どの姿勢が『正しい立位』でしょう?
おそらく、体に関する知識が豊富なはずの理学療法士でも、上記三つのうちのどの姿勢が正しいのか明確に根拠を持って答えることができないのには理由があります。
もくじ
ヒトの脊柱のS字カーブの理由としてよく挙げられるのが、脊柱にかかる衝撃を分散させるクッションの役目、というものです。ですが私の知る限り、具体的にどの程度の湾曲がどのような衝撃をどれくらい分散させているかの計算をした研究はみあたりません。(そのような研究をご存知の方がいらっしゃったら教えてください)
私も計算してみたことがあるのですが、どのような計算をしてもS字カーブは必要なくむしろS字にすることで弱い構造になっているという結果になってしまいました。(予断ですが、静的なS字カーブは弱い構造ですが、S字カーブをとることができる可動性があることは衝撃に強い構造です。「S字カーブは衝撃に強い」というのはおそらく可動性と静的な姿勢を混同した発言であると考えられます。)
重力に攻するのであれば↓このような単純にまっすぐな構造のほうが有利です。曲がっているものに力を加えると、さらに曲がる方向に力がかかってしまうからです。
ですので脊柱だけ考えた場合、直立不動の姿勢をとる場合はできるだけS字カーブを無くしたいわゆる『平背』の姿勢が有利になります。
やっと本題です。
抗重力という視点から考えた場合は単純にまっすぐな脊柱のほうが有利ですが、平背には二つの欠点があります。
食物という形のしっかりしたものが詰まっている胃や腸に比べ、肺には空気という形の無いものが入るので、重みに弱い構造です。重力がかかると簡単に潰れてしまい呼吸ができなくなります。そのため肋骨で形をしっかり固定する構造になっています。
ですが、四足動物の時代には重力と肋骨の方向が一致していたのに対し、ヒトの場合は重力と肋骨が垂直に交差してしまい、重力の影響を強く受ける構造です。
ヒトの肺は重力に負けてつぶされてしまい簡単に呼吸困難になってしまいます。
常に上から押さえつけられている肋骨を持ち上げやすくするめには、肋骨の根元である胸椎から動かす必要があります。*1
そして、胸椎を伸展させることにより移動した重心を戻すために骨盤と首が屈曲します。これがS字カーブの理由です。
このことにより、
という立位における『正しい』S字が導き出されます。
冒頭の図↓では、真ん中の姿勢が正しい姿勢です
胸椎を伸展させるということだけを考えると図の左端の脊柱が過剰に伸展している姿勢も一見正しそうに見えますが、平背の二つ目の欠点である消化器と重力の関係について考えた場合、真ん中の姿勢が正しいという結論になりますが、長くなりましたのでそのあたりはまた書いていきたいと思います。
次回の講習会は11月と12月、テーマは歩行です。
申し込みは講習会のお知らせからどうぞ。
臨床ですぐ使えるテクニックを中心に講習会を開催してきましたが、今後はs字カーブや進化など、手技をより効果的に行うための応用的な講習会も開催していきたいと考えています。また、基本の触診を納得いくまで繰り返せる形式の講座も開催したいです。
ブログのほうもより具体的な手技や今回のような進化の話など、様々な方面で現役PTさんにとって使える記事を増やしたいと考えています
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